2005年 08月 07日
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【東京都災害対策要員の不祥事についてヒューマンエラーの観点から考える】
●<震度5強地震>当日待機当番職員21人、都庁に駆けつけず(毎日新聞:7月29日)
○災害補助要員として都庁周辺に破格の家賃で住んでいながら、東京を襲った震度5強の地震が発生した時に登庁しなかった職員に対して、マスコミはこぞって批判をつよめています。
すでに多くのマスコミが報じているとおり、彼らは災害時に緊急出勤することを条件にこの住宅に住ませて貰っているので「外出時にポケベルを持っていなかった」「ポケベルの電池が切れていた」などの言い訳は通用するはずもなく、私も彼らが批判されること自体は当然だと思います。
ただ私が気になるのは、「登庁の必要がない」として自ら自宅で待機していた石原都知事が、組織のトップであるにもかかわらず率先して部下を批判していることに対して、どのマスコミも知事の管理責任を追及していないことです。
「隗より始めよ」と言うことわざがありますが、日本でもかつてはトップに立つ者が率先して見本を示す「美徳」が存在したのですが、近頃はこうした「美徳」はもはや私語になりつつあるのでしょうか。
○ところで、「決定版:失敗学の法則」の著者である畑村洋太郎氏は、失敗や事件に色々な背景があるとき、ただ失敗した当事者を責め立てるだけで一件落着にするのではなく、失敗や事故が起きた原因や要因を正確に捉えることが大事だと指摘しています。
今日、テレビで報道されたインタビューでは、災害対策要員の家族が「抜き打ち訓練でもいつも三割ぐらいしか集まらない」と発言していましたが、これが事実であるならば、今回の緊急参集要請に約三割(34名中13名)しか集まらなかったことは、あらかじめ予測できたのではないでしょうか。
私は、これまでの訓練で結集率が悪かったにもかかわらず、東京都がなんら有効な対策を講じていなかったのであれば、今回参集しなかった職員と同様(あるいはそれ以上)に問題ではないかと思うのです。
○また畑村氏は、失敗の事実が明るみに出たときに組織のトップは「知らなかった」では済まされない。ましてや「悪いのは部下だ」などと言って自分だけ責任逃れするのはもってのほかだ、と指摘しています。
2000年に集団食中毒事件をおこした雪印乳業の社長は、記者会見で「バルブの洗浄が規定通り行われていなかった」ことを明らかにした工場長に対して、「それは本当か!」と詰めより、さらにはマスコミに対して「私は寝ていないんだ」と叫ぶ醜態をさらしました。
先日のJR福知山線脱線事故でも、JR西日本の社長は記者会見の場で「職員が事故当日にボーリング大会や宴会をしていた」事実が明らかにされたときに「信じられない」と発言し、多くの市民のひんしゅくを買ったことは記憶に新しいできごとです。
私には、今回の石原都知事の対応もこれらの社長同様、組織のトップとしては相応しくない対応に思えて仕方がないのですが、どうしてマスコミ各社は石原都知事に対して何の追及もしないのでしょうか。
【追記】
○誤解のないようお断りしておきますが、私は今回の問題を起こした都の職員を擁護するつもりは全くありません。
災害対策という市民の生命にかかわる重要な役割を承知の上で、自ら希望して入居したにもかかわらず、その任務を果たさなかった彼らは、災害対策住宅に入居する資格はないと思います。
ただ、再発防止という観点で考えた場合、本当に彼ら当事者以外に問題がなかったかについても検証が必要で、インタビュー発言にもあったように、訓練時から問題があることを知りながら有効な対策を講じないような組織は、たとえ今回の入居者たちを入れ替えても、きっと別の問題を起こすに違いないと思うからです。
その意味でも東京都という組織をあずかっている石原知事の役割は重要で、「私は悪くないよ」というような問題ではないと理解した対応が求められるのではないでしょうか。
東京都内で震度5強を記録する地震が発生した際に、都庁から徒歩30分以内にある災害対策住宅に入居し、当日待機当番だった職員34人のうち21人が都庁に駆けつけなかったそうだ。
マニュアルでは、震度5強以上の場合には自主的に駆けつけることになっていたが、ポケットベルを鳴らしたにもかかわらず21人が登庁しなかったとか。
○災害補助要員として都庁周辺に破格の家賃で住んでいながら、東京を襲った震度5強の地震が発生した時に登庁しなかった職員に対して、マスコミはこぞって批判をつよめています。
すでに多くのマスコミが報じているとおり、彼らは災害時に緊急出勤することを条件にこの住宅に住ませて貰っているので「外出時にポケベルを持っていなかった」「ポケベルの電池が切れていた」などの言い訳は通用するはずもなく、私も彼らが批判されること自体は当然だと思います。
ただ私が気になるのは、「登庁の必要がない」として自ら自宅で待機していた石原都知事が、組織のトップであるにもかかわらず率先して部下を批判していることに対して、どのマスコミも知事の管理責任を追及していないことです。
「隗より始めよ」と言うことわざがありますが、日本でもかつてはトップに立つ者が率先して見本を示す「美徳」が存在したのですが、近頃はこうした「美徳」はもはや私語になりつつあるのでしょうか。
○ところで、「決定版:失敗学の法則」の著者である畑村洋太郎氏は、失敗や事件に色々な背景があるとき、ただ失敗した当事者を責め立てるだけで一件落着にするのではなく、失敗や事故が起きた原因や要因を正確に捉えることが大事だと指摘しています。
今日、テレビで報道されたインタビューでは、災害対策要員の家族が「抜き打ち訓練でもいつも三割ぐらいしか集まらない」と発言していましたが、これが事実であるならば、今回の緊急参集要請に約三割(34名中13名)しか集まらなかったことは、あらかじめ予測できたのではないでしょうか。
私は、これまでの訓練で結集率が悪かったにもかかわらず、東京都がなんら有効な対策を講じていなかったのであれば、今回参集しなかった職員と同様(あるいはそれ以上)に問題ではないかと思うのです。
○また畑村氏は、失敗の事実が明るみに出たときに組織のトップは「知らなかった」では済まされない。ましてや「悪いのは部下だ」などと言って自分だけ責任逃れするのはもってのほかだ、と指摘しています。
2000年に集団食中毒事件をおこした雪印乳業の社長は、記者会見で「バルブの洗浄が規定通り行われていなかった」ことを明らかにした工場長に対して、「それは本当か!」と詰めより、さらにはマスコミに対して「私は寝ていないんだ」と叫ぶ醜態をさらしました。
先日のJR福知山線脱線事故でも、JR西日本の社長は記者会見の場で「職員が事故当日にボーリング大会や宴会をしていた」事実が明らかにされたときに「信じられない」と発言し、多くの市民のひんしゅくを買ったことは記憶に新しいできごとです。
私には、今回の石原都知事の対応もこれらの社長同様、組織のトップとしては相応しくない対応に思えて仕方がないのですが、どうしてマスコミ各社は石原都知事に対して何の追及もしないのでしょうか。
【追記】
○誤解のないようお断りしておきますが、私は今回の問題を起こした都の職員を擁護するつもりは全くありません。
災害対策という市民の生命にかかわる重要な役割を承知の上で、自ら希望して入居したにもかかわらず、その任務を果たさなかった彼らは、災害対策住宅に入居する資格はないと思います。
ただ、再発防止という観点で考えた場合、本当に彼ら当事者以外に問題がなかったかについても検証が必要で、インタビュー発言にもあったように、訓練時から問題があることを知りながら有効な対策を講じないような組織は、たとえ今回の入居者たちを入れ替えても、きっと別の問題を起こすに違いないと思うからです。
その意味でも東京都という組織をあずかっている石原知事の役割は重要で、「私は悪くないよ」というような問題ではないと理解した対応が求められるのではないでしょうか。
by azarashi_salad | 2005-08-07 13:14 | 私説
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