2015年 06月 02日
<:/p>
【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像-(第12回)

(第12回:「広域処理」の必要性を検証③)
ここで広域処理の必要性について整理してみよう。2011年12月6日に環境省が公表したがれき処理計画では、岩手県の県内処理予定量は419万㌧、広域処理希望量は57万㌧、宮城県の県内処理予定量は1225万㌧、広域処理希望量は344万㌧だ。

結局、三度の見直しによりがれき総量は、岩手県が366万㌧、宮城県が1103万㌧まで減少した。両県とも、2011年12月に公表した当初の処理計画における県内処理予定量を大きく下回る。しかし、環境省と自治体は見直しの度に県内処理予定量を減らして広域処理希望量をキープした。

私たち住民グループは、再び要請活動に乗り出した。広域処理の問題点を整理した資料や要請文を愛知県議会議員103名全員に送り、「無意味な試験焼却を行わない」「復興予算の流用であり、税金の無駄遣いである広域処理を中止しよう」と訴えた。

こうした住民運動が激化する中、大村知事は県が実施した「試験焼却」アンケートの調査結果を明らかにした。愛知県内全ての自治体が県に対して「NO」と回答したのだ。この時点で大村知事と県だけが孤立した。

そして8月23日。環境省と宮城県の担当者が愛知県を訪れ「愛知県に協力を要請する状況ではないと判断した」と広域処理の要請を取り下げた。これを受けて、大村知事も震災がれきの受け入れに関し、ついに正式な中止を表明した。
(第13回につづく)
※本を読んでみたいと思われた方はこちらから →
■旬報社のページ
***********************************

by azarashi_salad | 2015-06-02 18:26 | 政治 <:/p>