2012年 05月 24日 <:/p>
広域処理は今すぐ中止可能
5/21、宮城県と岩手県の瓦礫総量精査結果を受けて環境省は広域処理計画を一部見直したが、その数値には大きなデタラメがあり、広域処理は今すぐにでも中止可能であることが明らかに。
◆こちらは見直し前の環境省資料
宮城県の瓦礫総量は約1569万㌧
岩手県の瓦礫総量は約476万㌧
両県合わせて約2045万㌧
このうち環境省がこれまで「どうしても現地で処理できないので広域処理が必要」としていた瓦礫の量は
宮城県が約338万㌧
岩手県が約57万㌧
両県合わせて約395万㌧
これに対して、今回の宮城県の精査で明らかになった瓦礫総量は約1154万㌧と、上記の約1569万㌧から約415万㌧も減っており、環境省が「広域処理が必要」としていた約395万㌧を上回り、全て現地処理が可能なはずだ。
◆災害廃棄物処理対象量(県受託処理分)の見直しについて(宮城県)
◆災害廃棄物の広域処理(環境省)
一方、「岩手の瓦礫が増えているはず」との指摘があるかもしれないが、実はここにもデタラメが隠されている。
精査で明らかになった岩手県の瓦礫総量を見てみよう
◆災害廃棄物推計量の見直し及びこれを踏まえた広域処理の推進(環境省)
この資料だと、一見すると約480万㌧から約530万㌧に約50万㌧増えたように見えるが、実はこの増えた分は本来の「被災瓦礫」ではなく、「がれきに含まれていた土砂」や「海水をかぶった農地の土」を、無理矢理「がれき」として処理して総量を水増しした、いわば「上げ底」の数字だ。
◆岩手のがれき 約100万トン増に NHKニュース
「がれきに含まれていた土砂が想定より多かったことや、海水をかぶった農地の土などをがれきとして処理することになったのが、その理由です」
この「上げ底」の量は約83万㌧もあり、純粋な「がれき」に限れば岩手の瓦礫総量も約33万㌧減っていることになる。
これらを再計算すると、宮城で約415万㌧、岩手で約33万㌧、両県合わせて約448万㌧も瓦礫総量が減っており、「どうしても現地で処理できないので広域処理が必要」というこれまでの環境省の説明に従えば、今すぐにでも広域処理を中止できるはずである。
◆ガレキは本当に広域処理しないといけないの?
「もともと中で出来ないものを外でやるという考え方ですから、全部できるんだったら外でやる必要はないんです」(環境省 廃棄物対策課:山本昌宏課長)
◆ところで、どうして「岩手県」ではなくて「環境省」の水増しなのか?
5/21の両県知事の記者会見禄を読むとその理由がなんとなく見えてくる。
◆宮城県知事記者会見(平成24年5月21日)
宮城県知事コメント
「推計量というのは、たくさん処理しなければいけないと思っていたがれき(量)がだんだん少なくなってきたという分については、それほど大きく周りに迷惑をかけることはございませんが、少なく見積もっていて、思った以上にたくさんがれきがあるということになると、いろいろなところに大きなご迷惑をおかけいたします。私が当初指示いたしましたのは、雑駁(ざっぱく)な数字である限りはなるべく厳しく見積もるようにということでございます。」
この宮城県の見積もり方はある意味正しい。
見積もりが甘ければ必要な処理が出来なくなってしまうからだ。
つまり、総量が増えた岩手県は「色々なところに大きな迷惑をかけている」わけだから、まずは各関係者へのお詫びから始めなければならないはずだが、どうもそのように自覚しているとは感じられない。
◆平成24年5月21日知事会見記録
記者の質問
「宮城県では、広域処理に回すガレキの量の推計がかなり減ったという話ですが、岩手県ではどのようになられる見込みかということを教えてください。」
岩手県知事コメント
「そこも今日の午後に相談をしてその方向性を決めていくわけですけれども、4月に細野環境大臣が岩手県庁にまでいらっしゃって、それで今手を挙げてくれている都道府県で大体岩手のほうで必要としている広域処理分について調整していけば全部引き受けていただける目途が立ってきたのでそのとおりお願いしようと、そこのところも見直しが必要になってくるとは思いますけれども、基本はやはり手を挙げてくださっているところであり、特にも地元のほうで受け入れ準備、さまざま試験焼却までやって進んでいるところもありますので、そういうところからどんどん受け入れの作業に入っていき、そして発災から3年以内に災害廃棄物、ガレキを処理できるようにしていこうという考え方は基本的に同じだと思っています。」
宮城県知事のコメントと較べるとまことに歯切れが悪い。
この知事コメントを読む限り、岩手県の瓦礫総量が増えたことについて、どうも知事は「他人事」のように受け止めていると思えてならないのだ。
それはなぜか、私は次のように考えている。
もちろん岩手県も宮城県と同じく多めに推計していたので、本来であれば約33万㌧減っていたのだが、広域処理量を減らしたくない環境省に、瓦礫総量の水増しを無理矢理迫られたのではないか。
だから岩手県知事には「色々なところに大きな迷惑をかけている」という自覚もなく、各関係者へのお詫びのコメントひとつも無いのではないか。
そうでなければ、宮城県知事のコメントを借りるまでもなく岩手県知事は「大きく周りに迷惑をかける」ことすら配慮出来ない無能な知事と評価されるのだが。
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◆こちらは見直し前の環境省資料
宮城県の瓦礫総量は約1569万㌧
岩手県の瓦礫総量は約476万㌧
両県合わせて約2045万㌧
このうち環境省がこれまで「どうしても現地で処理できないので広域処理が必要」としていた瓦礫の量は
宮城県が約338万㌧
岩手県が約57万㌧
両県合わせて約395万㌧
これに対して、今回の宮城県の精査で明らかになった瓦礫総量は約1154万㌧と、上記の約1569万㌧から約415万㌧も減っており、環境省が「広域処理が必要」としていた約395万㌧を上回り、全て現地処理が可能なはずだ。
◆災害廃棄物処理対象量(県受託処理分)の見直しについて(宮城県)
◆災害廃棄物の広域処理(環境省)
一方、「岩手の瓦礫が増えているはず」との指摘があるかもしれないが、実はここにもデタラメが隠されている。
精査で明らかになった岩手県の瓦礫総量を見てみよう
◆災害廃棄物推計量の見直し及びこれを踏まえた広域処理の推進(環境省)
この資料だと、一見すると約480万㌧から約530万㌧に約50万㌧増えたように見えるが、実はこの増えた分は本来の「被災瓦礫」ではなく、「がれきに含まれていた土砂」や「海水をかぶった農地の土」を、無理矢理「がれき」として処理して総量を水増しした、いわば「上げ底」の数字だ。
◆岩手のがれき 約100万トン増に NHKニュース
「がれきに含まれていた土砂が想定より多かったことや、海水をかぶった農地の土などをがれきとして処理することになったのが、その理由です」
この「上げ底」の量は約83万㌧もあり、純粋な「がれき」に限れば岩手の瓦礫総量も約33万㌧減っていることになる。
これらを再計算すると、宮城で約415万㌧、岩手で約33万㌧、両県合わせて約448万㌧も瓦礫総量が減っており、「どうしても現地で処理できないので広域処理が必要」というこれまでの環境省の説明に従えば、今すぐにでも広域処理を中止できるはずである。
◆ガレキは本当に広域処理しないといけないの?
「もともと中で出来ないものを外でやるという考え方ですから、全部できるんだったら外でやる必要はないんです」(環境省 廃棄物対策課:山本昌宏課長)
◆ところで、どうして「岩手県」ではなくて「環境省」の水増しなのか?
5/21の両県知事の記者会見禄を読むとその理由がなんとなく見えてくる。
◆宮城県知事記者会見(平成24年5月21日)
宮城県知事コメント
「推計量というのは、たくさん処理しなければいけないと思っていたがれき(量)がだんだん少なくなってきたという分については、それほど大きく周りに迷惑をかけることはございませんが、少なく見積もっていて、思った以上にたくさんがれきがあるということになると、いろいろなところに大きなご迷惑をおかけいたします。私が当初指示いたしましたのは、雑駁(ざっぱく)な数字である限りはなるべく厳しく見積もるようにということでございます。」
この宮城県の見積もり方はある意味正しい。
見積もりが甘ければ必要な処理が出来なくなってしまうからだ。
つまり、総量が増えた岩手県は「色々なところに大きな迷惑をかけている」わけだから、まずは各関係者へのお詫びから始めなければならないはずだが、どうもそのように自覚しているとは感じられない。
◆平成24年5月21日知事会見記録
記者の質問
「宮城県では、広域処理に回すガレキの量の推計がかなり減ったという話ですが、岩手県ではどのようになられる見込みかということを教えてください。」
岩手県知事コメント
「そこも今日の午後に相談をしてその方向性を決めていくわけですけれども、4月に細野環境大臣が岩手県庁にまでいらっしゃって、それで今手を挙げてくれている都道府県で大体岩手のほうで必要としている広域処理分について調整していけば全部引き受けていただける目途が立ってきたのでそのとおりお願いしようと、そこのところも見直しが必要になってくるとは思いますけれども、基本はやはり手を挙げてくださっているところであり、特にも地元のほうで受け入れ準備、さまざま試験焼却までやって進んでいるところもありますので、そういうところからどんどん受け入れの作業に入っていき、そして発災から3年以内に災害廃棄物、ガレキを処理できるようにしていこうという考え方は基本的に同じだと思っています。」
宮城県知事のコメントと較べるとまことに歯切れが悪い。
この知事コメントを読む限り、岩手県の瓦礫総量が増えたことについて、どうも知事は「他人事」のように受け止めていると思えてならないのだ。
それはなぜか、私は次のように考えている。
もちろん岩手県も宮城県と同じく多めに推計していたので、本来であれば約33万㌧減っていたのだが、広域処理量を減らしたくない環境省に、瓦礫総量の水増しを無理矢理迫られたのではないか。
だから岩手県知事には「色々なところに大きな迷惑をかけている」という自覚もなく、各関係者へのお詫びのコメントひとつも無いのではないか。
そうでなければ、宮城県知事のコメントを借りるまでもなく岩手県知事は「大きく周りに迷惑をかける」ことすら配慮出来ない無能な知事と評価されるのだが。
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by azarashi_salad | 2012-05-24 20:03 | 政治 <:/p>