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◆環境省の暴走!汚染廃棄物の全国受入れ調査に異議あり

先日のブログ記事で「環境省による汚染瓦礫の広域焼却処理が、いよいよ具体化しようとしている」と書いたが、汚染瓦礫の受入れを拒否する自治体が続出する中、その手続きも暴走しており、何が何でも広域処理を進めたい環境省の焦りすら見え隠れする。
(◆汚染廃棄物の広域処理開始まで秒読み段階!)

以下はネットに流出している、受入れ検討状況に関する調査の事務連絡だ。本来、「通達」などの公文書と違って、担当者レベルの業務上のやりとりである「事務連絡」が公開されることは珍しい(もちろん正規に情報開示請求すれば公開可能な文書もある)が、もしかすると環境省の対応のあまりの暴走ぶりに腹を立てた自治体関係者の内部告発?かも知れない。

東日本大震災により生じた災害廃棄物の受入検討状況調査について
(平成23年10月7日:環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課)


その「事務連絡」だが、ちょっと見ただけでも多くの問題を含んでいると言わざるを得ない。

1、スケジュールの問題

環境省がこの事務連絡を出したのは10/7(金)、宛先は各都道府県となっている。にもかかわらず、管内市区町村分の回答をとりまとめて10/21(金)17:00までに提出しろという。

各都道府県の担当者は、連休明けの10/11(火)朝、出勤していきなりこの事務連絡を見て「ふざけるな」と思ったに違いない。愛知県の場合、10/13(木)に急遽、管内市区町村の担当者を集めて説明会を開催したのは、10/14(金)の中日新聞朝刊1面で報道があったとおり。
(参考:吉川みつこ・愛西市議のブログ)

このため各市町村の愛知県への回答期限は、環境省への回答期限の前日10/20(木)となり、自治体にしてみれば住民に十分な説明をする時間もないまま、回答せざるを得ない状況になっている。

10/4に行われた国の説明会では、「環境省は住民説明会に専門家を派遣するなどの対策を取ることになりました」と報道されているが、これでは事前の「説明会」などする時間的余裕もなく、事後の「説得会」に過ぎず、はじめから「受入れありき」の調査と言われても仕方がない。

さらに、これほど大きな問題でありながら、回答にあたって地方議会で議論する時間的余裕もなく、首長もしくは自治体担当者の一存で決めて良いことなのだろうか。

2、調査方法の問題

今回の調査では、「検討状況」に関して以下の3択から選択することとなっている。
A:既に受け入れを実施している
B:被災地への職員派遣や検討会議の設置等の具体的な検討を行っている
C:被災地への職員派遣や検討会議の設置等は行っていないが、受入れに向けた検討を行っている

AからCまでいずれも「受入れ」方向での回答ばかりで、「受入れ困難」の選択肢が無い。

環境省が11月に閣議決定しようとしている「基本方針」では、「(3)住民理解の促進等」として以下の項目が盛り込まれる予定である。
○国は、地方自治体による住民説明会への専門家の派遣等により、適確な知識の普及啓発を行うこと。
○国及び地方公共団体は、正確かつ迅速な情報提供及び市民とのリスクコミュニケーションを実施すること。
(参考:放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針【骨子案】)

環境省に住民の理解を得ようと真摯に対応する気持ちがあるならば、まずは、このような「圧力」とも言える調査自体を、そもそも仕切直しすべきではないだろうか。

3、情報公開の問題

環境省は、今回の調査結果について「本調査の結果について、個別の地方公共団体名は公表しないこととしています」としており、秘密裏に広域処理を進めようとしている。

今回の汚染廃棄物処理の技術的検討を行った「災害廃棄物安全検討会」も、議事録も公開していない非公開の議論で一方的に汚染の基準や処理方法が決められており、とうてい民主的な行政とは言えない。

このままでは、住民が一切情報を知らないまま、いつのまにか放射能汚染されたゴミが燃やされて大気中に放射能ガスが漏れたり、焼却灰が処分場に埋められて土壌や水源が汚染されることにもなりかねない。
(参考:汚染廃棄物を受け入れたらこうなる?)

以上のように、ちょっと見ただけでも大きな問題点を抱えている今回の調査なので、環境省は、まずはこの調査自体を白紙撤回しなければ、とうてい住民の協力など得られないと猛省すべきだろう。

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クリックで救える命がある。

by azarashi_salad | 2011-10-15 09:16 | 健康 <:/p>

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