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◆【悲劇】市とマスコミによって悪者にされた川崎市民(川崎市ゴミ騒動の真相)

行政とマスコミ報道を安易に信用してはいけないと言う好例。

先日のブログ「◆市とマスコミが作った「デマ」というデマ?(川崎市のゴミ処理問題)」でもふれたが、本件は誤解した市民が騒いだ騒動などではなく、市とマスコミによって市民が悪者にされた悲劇である。

以下に、時系列でその根拠を説明する。

1、【4月8日】に川崎市が報道発表した資料では、放射性廃棄物の扱いに関して全くふれられておらず、「事前」に検討していた事実を示す情報は一切無い。

4月8日、川崎市は以下の「報道発表資料」をプレスリリースし、それに基づきマスコミ各社は以下のような報道を行った。

●「平成23年4月8日報道発表資料」
「本市では、廃棄物(粗大ゴミ)処理については、中越地震の際、柏崎市の粗大ゴミを列車(コンテナ)で川崎市に移送して処理した実績あり。今回も列車(コンテナ)や船での移送について各関係者と調整を行っていく。」

●川崎市、福島から震災の粗大ごみ受け入れ(4月8日読売新聞)
「市長によると、被災地の粗大ゴミは、貨物列車で運搬し、川崎市内の処理施設で焼却する。既にJR貨物と調整を進めており、月内にも始まる見通し。」

この記事が嘘でないなら、4月8日の時点で市長は「4月中にもゴミの処理を始める」方針をマスコミに表明している。

2、【4月13~15日】ところが、その後4月12日までに市民や市議会議員などから「放射性廃棄物の処理」について適切でないと指摘されたことを受けて、4月13日に急遽「市の見解」を公表し、4月15日の時点では「具体策は何も決まっていない状況」(市民情報室)と当初(4月8日)市長が表明した計画(月内にも始める)を「計画変更」している。

●被災地から発生した災害廃棄物の処理について(4/26)
「災害廃棄物の本市への受入れにあたりましては、災害廃棄物の処理に関する全体的な計画が示された段階で、その計画に基づき、関係自治体とも協議しながら、健康と安全を第一に処理の体制を検討していくこととなります。また、放射能を帯びた廃棄物については、低レベルであっても、移動が禁止されておりますことから、本市で処理することはありません。」

●「放射能ゴミ受け入れるな」川崎市に抗議殺到(4月15日オルタナ)
「阿部孝夫市長が4月7、8日の両日、被災地を訪問した際に廃棄物の処理の協力を表明。同市は2007年の新潟県中越沖地震でも、柏崎市の粗大ゴミを鉄道輸送で受け入れ、無償で焼却処理した実績がある。ただしその処理は国や被災した自治体などと協議した上で行い、「具体策は何も決まっていない状況」(市民情報室)だ。」

市は「放射能を帯びた廃棄物については、低レベルであっても、移動が禁止されておりますことから、本市で処理することはありません」と説明しているが、どうやって測定するのか、またその基準値はいくらかなど、受け入れて処理するために必要な情報は全く明らかにされていない。(検討していないから決まっていないのだろう)

上記のように、放射性廃棄物の処理については解決すべく課題が山積しており簡単なことではない。市長がマスコミに対して「月内にも始まる見通し」と述べた事実が、4月8日の時点では放射性廃棄物の扱いについて全く検討しないまま、受け入れを公表したことを裏付けている。

3、【4月13~15日】さらに、同市の「しまざきよしお」市議がツイッターで「私は昨日(4月12日)見直しを求めました。協議の結果、受け入れは中止となりました。」と、当初(4月8日)は放射性廃棄物の扱いについて全く検討していなかったことを内部告発している。

●しまざきよしお市議のツイッター(4月13日)


●「きちんと説明を」 被災地のごみ処理 市長表明受け市議 川崎(4月15日東京新聞)
市議の一人は「(市議選中に)何も知らされないまま、市長が受け入れを表明したので驚いた。勝手に決めすぎだ」と憤る。「多くの市民が放射能汚染に神経質になっている中で、どこの廃棄物をどういう形で持ってくるのか、きちんと示さなければ、市民の理解は得られない」と苦言を呈する意見が相次いだ。

以上のように、当初は放射性廃棄物について何も考えないまま「月内にもやりましょう」と安易に引き受けた市長の指示を受けて、こちらも何も考えないまま「市で処理します」と報道発表した川崎市。
(もう一度4月8日の報道発表資料をよく見て欲しい。放射性廃棄物の処理について事前検討していれば、4ページの資料のうち3ページにわたって市長の写真を載せるなど、普通ありえないだろう。)

これに対して、市民や市議から「普通のゴミ処理場で放射性廃棄物の処理は問題ではないか」と当たり前の指摘があったため、あわてて「放射性廃棄物の処理は当初から予定していないので冷静に」と「後出しジャンケン」のような弁解をしたのが真相と思われる。

つまり「行政のミス(放射性廃棄物の処理について十分な検討もないまま、処理することだけを先走って公表した不備)を指摘した市民に対して、市が(誤解して苦情したクレーマーが多くて困っている)と責任転嫁しているだけ」なのに、マスコミは揃いも揃って「事実誤認で苦情」などと「デマに踊らされた市民」を強調した報道を続けており、本来は放射性廃棄物の処理について問題提起してヒーローになるはずだった川崎市民が、すっかり悪者に仕立て上げられた悲劇である。

●東日本大震災:川崎、粗大ゴミ受け入れ 事実誤認で苦情2000件超す /神奈川(4月14日毎日新聞)
「川崎市が東日本大震災で大量に発生した木材などの粗大ゴミを受け入れる方針を決めたことを巡り、「放射能に汚染された廃棄物が持ち込まれる」などと誤った情報がネットなどに書き込まれ、市に苦情が寄せられる事態となっている。」
「阿部孝夫市長は毎日新聞の取材に「とんでもない勘違いで腹立たしい。過剰反応しないでほしい」と語った。」

なお、もし苦情が寄せられる以前(4月8日)の時点で、川崎市が放射性廃棄物の扱いについて検討していた事実を示す根拠(資料)があれば、是非提供して欲しい。

それにしても、こうした事実関係を時系列に追わずに記事を書く記者や、平気で市民を悪者にする市長、何も事実確認しないままマスコミ報道を鵜呑みにして市民を批判する市長がいるなど、困ったもんだ。

●熊谷俊人(千葉市長)ツイッター(4月14日)



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by azarashi_salad | 2011-04-16 11:16 | 社会 <:/p>

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