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▽批判覚悟で安全を優先した勇気を評価したい

●エア・ドゥ、GW中に24便運休…機体の定期整備終わらず(4月29日3時7分配信 読売新聞)
 北海道国際航空(エア・ドゥ、札幌市)は28日、旅客機1機の定期整備が終わらないため、ゴールデンウイーク期間中に計24便を運休すると発表した。
 運休するのは、29日から5月2日までの東京―札幌間の22便と、5月1日の東京―旭川間の2便。エア・ドゥは旅客機5機を保有しており、残る4機は通常運航している。
 同社はボーイング737型機の定期整備を中国の会社に委託し、4月1日から28日までの予定で行っていたが、胴体の一部にひびが見つかり、修理のため工期を延ばした。終了のメドは立っておらず、新たな運休の可能性もあるとしている。広報担当者は「機体のひびは、運行上は問題ない範囲だが、安全に関する部分なので万全を期していく」と話した。

○マスコミとしては「GW中に運休するなんて」と批判したいのかも知れないが、エア・ドゥだってかき入れ時に運休なんてしたいはずもなく、また、こうした批判が出ることが分かっていたにもかかわらず「整備未了のままでは運航しない」と英断した勇気を評価したい

 まあ、当然と言えば当然のことなのだが、先日スカイマークが整備未了のまま運航して問題になったばかりだから。
●スカイマークに厳重注意、不適切な整備管理で=国交省(4月13日12時43分配信 ロイター)

○しかし、よくわからないのはエア・ドゥはANAとコードシェアしているのだから、どうして代わりにANAの機体を使用することができなかったのか、という点。

 例えば、エア・ドゥの羽田-旭川便はANAの便でもあるわけだから、ANAにも責任の一端はあるだろう。( 「北海道国際航空AIRDOとのコードシェアにより東京-北海道間が充実いたします。」なんてPRしてるんだから)
 だったら、一時的にANAの機体を使うなどして運休を回避できなかったのだろうか。

 もし、規定上こうした措置が不可能というのであれば、ユーザー保護の観点からそんな規定は見直した方がいいし、ANAにも予備の機体なんて一機もないというのであれば、それはそれで随分お寒い話だと思うのだが。
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by azarashi_salad | 2007-04-29 06:09 | 社会 | Comments(0) <:/p>

▼何で「300キロ」なんだろう

●約300キロ運転した夫婦の車が中学生はね死なす
 愛知県田原市の国道で、中学生が車にはねられ、死亡しました。車に乗っていたのは、東京・八王子から三重県の伊勢神宮へ参拝に向かっていた夫婦で、約300キロを走行した地点での事故でした。
 28日午前7時過ぎ、田原市小塩津町の国道で、歩道を歩いていた近所の中学2年生・中村香子さん(13)が、後ろから来た車にはねられて死亡しました。また、車を運転していた東京都八王子市の会社員・後藤さと子容疑者(50)が現行犯逮捕されました。調べに対し、後藤容疑者は「助手席が気になって、よそ見をしてしまった」と話しているということです。死亡した中村さんは、所属する卓球部の対外試合に参加するため、集合場所の学校へ向かう途中でした。後藤容疑者は、伊勢神宮まで夫婦で参拝に行く途中だったということです。
[29日1時21分更新]

○上のニュースがyahooの動画アクセスランキングトップ(4月28日 18時59分現在)だったので記事を見たのだが、正直この見出し「約300キロ運転した夫婦の車が中学生はね死なす」の意味がよく分からない。

 GW中に起きた痛ましい交通事故と言うことでみな注目したのかも知れないが、普通なら「参拝に向かう途中の車が中学生はね死なす」と付けるところではないだろうか。

 この見出しを付けた方は何で「300キロ」に注目したのだろう?
 もしかして「300キロも運転したから疲れて事故を起こしたんだろう」と問題提起したかったのだろうか。
 だけど、車で東京から伊勢まで向かっていたら誰が運転しても300キロ以上走らなければ無理だろうし、300キロ以上運転しているドライバーは世の中に恐らく星の数ほどいるだろうし、う~ん理解不能、まだまだ読解力不足か。

 まあ、「どういう特殊な状況で起きた事故だったのか」と人目を惹く効果があったことだけは確かだが、何だかちょっとなあ・・・。
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by azarashi_salad | 2007-04-29 05:00 | 社会 | Comments(1) <:/p>

♪「2回」は意外と少数派?

●入浴後のバスタオル、何回使ったら洗ってる?(R25:2007.04.05)
 入浴後に使用したバスタオルは1回で洗うか、否か。どう考えても居酒屋あたりでやる議論だろうという正論はさておき、れっきとした企画会議で討論され、調査を依頼されたので、ここに発表したい。
 アンケート結果は下記ランキングを参照してもらうとして「1回使ったら洗う」がいちおう主流派を占めた。股間を拭いたものをまた使うのか、という主張には確かに説得力がある。1回派が全体の39%という数値は意外に少ないといえるだろう。
 対して、1回以上使う派の根拠は、キチンと洗い流して、清潔になった体の水を拭き取るだけなのだから問題はないというもの。そもそもかさばるバスタオルを何回も洗う時間がない、という意識が根底にあるのだろう。とくに土日を洗濯にあてる者にとっては合理性を優先した結果、強引に先の根拠をひねりだした可能性は高い。

○先日mixiで見つけて気になっていたニュース、笑。

 私は2回派だが、意外と少数派なんだなあ。
 ただ、2回といっても体を拭くために使うのは1回限りで、2回目は足ふきマット代わりに使っている

 もちろん、単身生活で週末しか洗濯できないので、なるべく洗濯物を増やしたくないと言う理由もあるが、こうすれば足ふきマットも毎回交換できるので、かえって清潔かなあと考えているのだが、やっぱりダメかなあ、笑。
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by azarashi_salad | 2007-04-26 06:33 | 無駄話 | Comments(6) <:/p>

▽「犯罪」よりも「ミス」が叩かれる社会(その2)

●前回のエントリー(△熊だと思えばいい)では、「私はこうした場に居合わせた経験がないので、この乗客たちを批判するつもりはない」「実際にそうした行動がとれるかは、その時になってみないと分からないのだが、こうしてシミュレーションしておけば何かの時の役に立つと思う」と書いたのだが、ネット上では案の定というか乗客たちを批判する意見が目立つ。

○こうした論調を見て、そういえば以前にこんなエントリーを書いていたことを思い出した。

 以前にエントリーした(▽「犯罪」よりも「ミス」が叩かれる社会)では、
 マスコミの皆さんにぜひ考えて頂きたいことは、「不祥事」で処分を受ける方々は確かに「ミス」を犯したかも知れないけれど、少なくとも「犯罪」は犯していないということです。
 「犯罪」よりも「ミス」が責められる社会は、やはりどこかおかしくありませんか。

と問題提起したが、今回の事件では、マスコミが揃ってたまたま現場に居合わせた乗客たちを批判の矛先に誘導している点や、こうしたマスコミ報道に煽られてマスコミの狙い通りの論調がネット上で拡がりを見せているのがとても気になる。

○もちろん、彼らが「犯罪」の現場に居合わせながら何の通報もしなかったことは決してほめられたことではないが、だからといって本来何の罪も犯していない者をそこまで批判することができるのだろうか。

 一方、こうした一時の感情で無理な勇気を煽って、いざそのような行動に出た方が不測の事態に陥ることがあっても、マスコミは決して責任を取らないということも私たちは理解しておく必要がある。

 そう考えると、こうした問題について考える場合には何もできなかった乗客たち個人に目を向けるのではなく、なぜ乗客たちが何もできなかったのかと言う視点で考えれば、もう少し違った論調になったのではないかと思う。

【4/29:追記】
なぜ乗客たちが何もできなかったのか、そのヒントがここにあるかも知れません。
●傍観者効果

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by azarashi_salad | 2007-04-24 07:38 | 社会 | Comments(9) <:/p>

△熊だと思えばいい

●<強姦>特急内で暴行、容疑の36歳再逮捕 乗客沈黙(4月21日19時55分配信 毎日新聞)
 大阪府警淀川署は21日、JR北陸線の富山発大阪行きの特急「サンダーバード」の車内で昨年8月、大阪市内の会社員の女性(当時21歳)に暴行したとして、滋賀県湖南市石部南、解体工、植園貴光被告(36)を強姦(ごうかん)容疑で再逮捕した。当時、同じ車両には約40人の乗客がおり、一部の乗客は異変に気付いたものの、植園容疑者にすごまれ、制止できなかったという。植園容疑者は、昨年12月にも同様に車内や駅構内で女性に暴行したとして今年1月、滋賀県警に逮捕され、強姦罪などで現在公判中。

○私はこうした場に居合わせた経験がないので、この乗客たちを批判するつもりはないが。

 ただ、今後のためにこんな時、自分だったらどうするだろうと考えてみたのだが、こうした、およそ人としての心や常識を持っているとは思えない相手に対して、自分たちと同じ「普通の人間」と思うから次の行動を躊躇するのではないだろうか。

 だったら、こうした時は女性が「熊」に襲われているところに遭遇したと思えばいい。
 すると、真っ先に非常ベルを押すとか、携帯で110番するとか、近くに棒か何かあればそれを使うなどして、何とか女性を助けようとするのではないだろうか。

 まあ、実際にそうした行動がとれるかは、その時になってみないと分からないのだが、こうしてシミュレーションしておけば何かの時の役に立つと思う。

【4/29:追記】
この件について書かれた二つの記事。どちらが役に立つか、特にマスコミ関係の方にほど読んで欲しいものです。
●「卑劣」で片付けちゃいけない
●車内レイプしらんぷり 「沈黙」40人乗客の卑劣 [ 04月23日 20時22分 ] J-CASTニュース

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by azarashi_salad | 2007-04-22 06:54 | 社会 | Comments(0) <:/p>

▼「学力テスト」という名の「記名アンケート」?

●学力テスト中止求め仮処分申し立て 京都の児童、生徒9人(4月16日20時50分配信 京都新聞)
 全国の小学6年生と中学3年生を対象に4月24日に実施される「全国学力・学習状況調査」(学力テスト)は、プライバシー権や教育を受ける権利を侵害し、違憲だとして、京都市と京田辺市の児童、生徒計9人が16日、両市の教育委員会にテストの中止を求める仮処分を京都地裁に申し立てた。
 原告の弁護団によると、学力テストをめぐる仮処分や訴訟提起は全国で初めてで、「家庭事情に踏み込む質問もあり、国や受託業者がこうした個人情報を収集・管理するのは問題だ」と訴えている。
 申立書によると、学力テストは文部科学省や市町村教委などが実施主体で、国語と算数(数学)に加え、生活習慣や学習環境について問う「質問紙調査」も行う。氏名か、個人特定に結びつく番号を記入させ、採点や集計は民間業者が行う。
 文科省が昨年末に実施した予備調査では、質問紙調査に「自分は家の人から大切にされているか」「先生から認められているか」などの項目があった。弁護団は「プライバシーにかかわる生活状況調査で個人を特定することに正当性はなく、憲法や個人情報保護法に反する。国家による教育内容、家庭教育への介入に当たり、教育基本法にも反する」と主張する。
 申し立て後に会見した保護者は「調査自体に反対ではないが、氏名を書かせるのは疑問。事前の説明もない」と話した。
 申し立てに対し、京都市教委は「学力実態や学習習慣を把握でき、指導の改善にも生かせる有用な調査。氏名の代わりに番号を記入する方式で、個人情報保護には万全を期している」とコメントし、京田辺市教委は「内容を見ていないのでコメントできない」としている。
 学力テストをめぐっては、愛知県犬山市教委が「地方の特色ある教育づくりを阻害する」として不参加を表明している。

○先日のエントリー(▲「全国学力・学習状況調査」に記名は必要か)でも「学力テスト」について取り上げたが、ネット上では「そこまで記名に反対するのはおかしい」とする意見も多く見受けられた。

 そうした方々が、「仮処分を京都地裁に申し立てた」という今回の「手法」に対して批判しているのであれば理解できなくもないが、「記名に反対」という彼らの主張そのものに対してまで批判しているのであれば「もう少しよく考えては」と言いたい。

 こうした意見をお持ちの方々は、恐らく「たかがテストの記名にそこまで反対するのはいかがなものか」と考えているのかも知れないが、今回実施される「学力テスト」の内容を本当に十分理解した上で、このような主張をしているのだろうか。

○というのも、文部科学省が実施しようとしている「学力テスト」には、国語と算数・数学の「学力調査」のほかに「児童・生徒質問」があり、特に問題となっているのは「児童・生徒質問」の部分である。

 この「児童・生徒質問」では「一週間に何日学習塾に通っていますか」「学習塾でどのような内容の勉強をしていますか」「自分は、家の人から大切にされている」「あなたの家には本が何冊くらいありますか」など、個人のプライバシーに係わる100項目近い「アンケート」を、個人が特定できる形で答えさせようとしている。

 このため、冒頭の記事にも書かれているとおり、京都地裁に仮処分を申し立てた保護者たちは「調査自体に反対ではないが、氏名を書かせるのは疑問。事前の説明もない」と主張しており、私は「仮処分の申し立て」という「手法」については賛同しかねるものの、「記名に反対」という主張そのものは間違っていないと考えている。

○ましてや、今回の調査の一部(採点や集計)を請け負う企業が、昨年末に個人情報流出事件を起こした「NTTデータ」と、こうした個人情報が喉から手が出るほど欲しいと想像できる「ベネッセ」であれば、なおさら「記名しても問題ない」と主張される方々が、どうしてそこまで個人情報に鈍感になれるのか不思議でならない。

 これらの問題点を全て理解した上で、なお「記名に反対すること自体がおかしい」と主張される方々には、名古屋大学の中嶋教授が今回の「学力テスト」について「個人情報保護法に背く恐れ」と問題提起しているので、ぜひ一読することをお勧めする。

●全国学力テスト 個人情報保護法に背く恐れ(「論壇」『朝日新聞』2007年3月3日)
 文科省は昨年末、全国学力テストの国語と算数・数学のテスト問題の一部と、児童生徒および学校に対する質問紙をウェブサイトで公開した。これらは昨年秋の予備調査で使われたもので、今年4月に予定されている本調査でも同様のものが使われるだろう。
 全国学力テストは通称で、正式には全国学力・学習状況調査という。小6・中3の児童生徒を対象に、市町村教育委員会などの協力を得て、文科省が実施する行政調査である。外見上は区別しにくいが、学校の定期テストや入学試験とはまったく性格が異なる。全国学力テストには教育制度上の問題も多々あるが、ここでは個人情報保護の観点から疑問を提示したい。
 たいへん気になるのは、児童生徒への質問紙で私生活の有り様、保護者との関係、自分自身への評価を具体的に尋ね、さらに家庭の文化的階層を調べるための質問にも答えさせようとしていることだ。「家の人から大切にされているか」「物事を最後までやり遂げうれしかったことがあるか」「家に本が何冊あるか」「親と一緒に美術館や劇場で芸術鑑賞するか」といった具合に、児童生徒と保護者のプライバシーに踏み込む情報を大胆に収集しようとしているのだ。
 しかも、回答紙に出席番号を、小6では氏名をも記入させるために、誰の回答か簡単に特定できる。したがって、テストの点数や学習状況調査への回答はすべて個人情報に該当する。そのため、学力テストの実施主体である文科省は、それらの収集・利用・保管に関して、行政機関個人情報保護法を遵守しなければならない
 そこで問題となるのは、文科省にはこのような個人情報を収集・利用・保管する権限があるのかということだ。行政機関個人情報保護法では行政機関は所掌事務遂行の範囲でのみ個人情報の収集等を認められているが、文科省の所掌事務の遂行にこのような個人情報が必要とは考えられない。
 児童生徒を直接指導する立場にある学校でさえ、児童生徒の私生活や家庭的背景に関する情報の収集は、個人情報保護条例等に基づいて慎重に行われなければならないのだ。文科省が説明するとおり教育・教育施策の改善が調査の目的なら、個人を特定する必要もないし、数万人を抽出して調査すれば足りるはずだ。
 さらに、同法には、個人情報の収集に先立って、利用目的を明示し本人の同意を得なければならないと定められている。つまり、仮に個人情報の収集が文科省に許されるとしても、保護者に収集目的を説明し同意を得ることなく、児童生徒を全国学力テストに参加させ回答させれば、同法違反となる可能性があるのだ
 学校が行う定期テスト等は児童生徒の指導・評価の資料を得るという目的が明確であるため、上記のような手続きは必要ない。しかし、文科省の行政調査である学力テストは話が違う。児童生徒を学力テストに参加させることを決めた市町村教委の判断の是非も問われる。文科省は早急に、個人情報保護法制を遵守する態勢を整え、学力テストのあり方を見直すべきではないだろうか。
 中嶋 哲彦(名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授)

○最後に、参考までに今回実施される「学力テスト」で行われる「児童・生徒質問」(アンケート)の一部を紹介するので、ぜひ「実名」付きで回答(コメント)していただければと思う。(名無しさんはダメだよ、笑)
①一週間に何日学習塾に通っているか
②学習塾でどのような内容の勉強をしているか
③自分は、家の人から大切にされているか
④あなたの家には本が何冊くらいあるか
⑤物事を最後までやり遂げうれしかったことがあるか
⑥親と一緒に美術館や劇場で芸術鑑賞するか
⑦一日にテレビを何時間見るか
⑧家庭にパソコンはあるか


【4/19:追記】
 私がまだ子供の頃、うちは裕福でなかったから家に電話が無く、ときおり学校から配られる調査票の電話番号欄を「空白」のまま提出するのがイヤでしょうがなかった。
 今回の調査でも、そうした傷つく子供がたくさん出ると思うとなんだかなあ。

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by azarashi_salad | 2007-04-18 22:35 | 社会 | Comments(4) <:/p>

▽都民の選択(その2)

●先日のエントリー(▽都民の選択)で石原都知事の、「神戸の地震の時なんかは(自衛隊の派遣を要請する)首長の判断が遅かったから、2000人余計に亡くなったわけですよね」という発言は「事実」と「意見」の区別ができていないと批判したわけだが、こうした批判をするとなぜか「ウヨ」「サヨ」といったレッテルを貼ることにより話が集束されがちなので、注意が必要かなとあらためて思う。

○はじめに断っておくが、私は石原発言の「2000人余計に亡くなった」という部分については「事実」ではなくて、石原氏個人の「意見」(仮説)だと考えている。
 だから、もし本当にそうした「事実」があるのであればその根拠を説明すべきでは、と書いた。

 このエントリーに対していくつか反論的なコメントも頂き、中には「なるほど」と頷かせるコメントもあったが、残念ながら「2000人余計に亡くなった」という「事実」を裏付けるコメントは無かった。

 こうした批判に対しては政治家発言の揚げ足取りと見る向きもあるが、都知事という公職にある立場の者がメディアを前にして個人的な「意見」(仮説)をあたかもそれが「事実」であるかのように公言するということは、「納豆を食べればダイエットできる」という「仮説」をあたかも「事実」であるかのように報じた「あるある大辞典」と根が同じであり、私は批判されて当然の行為と考えている。

○特に、災害時の危機管理対策や事故再発防止対策といったことを検討する際に、誤った「事実」を前提にされると問題点の分析や今後の予防対策を講じる上で「障害」になると言っても過言ではない。

 東京都においても、恐らく阪神大震災を教訓としたさまざまな災害対策が検討されていることと思うが、こうした対策をとりまとめる際に最終責任者(決裁者)である都知事が誤った「事実」認識のままでいれば、いくら担当者が優れた対策を提案してもなかなか理解してもらえず、結局は知事の意向に沿うような「早期の自衛隊派遣ありき」的な対策に陥る恐れがある。

 もちろん、こうした災害時に自衛隊の方々が頑張っていることは、阪神だけでなく新潟中越地震の際などでも重々承知しており、自衛隊の派遣そのものが間違っているなどと言うつもりはさらさらない。

 しかし、「対策」というものはあくまで「事実」にもとづく問題の分析に上に成り立つものであり、もし誤った「事実」認識のまま無思考的に「早期の自衛隊派遣ありき」的な対策がとられれば、それはそれで大きな問題だと思うのだが。

 そうした意味もあって、前回のエントリーの最後に「これが「都民の選択」だと言うことで。」と書いたが、石原都知事を選択した都民は、こうした問題も含めて受け入れる「覚悟」が必要と言うことだろう。
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by azarashi_salad | 2007-04-16 07:36 | 政治 | Comments(7) <:/p>

△安かろう悪かろうでは

●<スカイマーク>国交省が厳重注意 点検期限超過(4月13日11時42分配信 毎日新聞)
 国土交通省は13日、スカイマークがボーイング767型機計3機の整備項目を巡って3月、自社で定めた点検期限が超過したと気づいた後も羽田ー福岡・神戸線で1~2日計24便の運航を続けたとして、同社を文書で厳重注意した。国交省は「運航への影響はなかったが、基本的な認識が不十分で遺憾」としている。
 国交省によると、期限を超過していたのは、主翼の浮力を増す装置の機能検査や油量点検、冷蔵庫の洗浄作業。機能検査では、3月27日に1機で点検期限の4カ月超過が判明したのに、安全性への影響は小さいとしてさらに2日にわたって13便運航した。また、冷蔵庫の洗浄作業では2機でそれぞれ2年8カ月と11カ月期限超過したのに、翌日も計11便の運航を行った。3機のうち1機は2件の項目が超過していた。同社は3月末に国交省に報告した。
 スカイマークは昨年4月、機体の一部に亀裂の兆候があったのに修理しないまま9カ月の運航を続けたとして国交省から業務改善勧告を受けている。【長谷川豊】

○いくら運賃が安かろうと、賢い消費者は、このような会社の航空機にだけは絶対乗ってはいけない。

 多くの企業が、コスト削減や効率化のため、さまざまな努力をしていることは理解できるが、それでも絶対やってはいけない行為がある。
 それが安全に関する規定違反であり、航空機の整備を間引くという行為は、建築物の耐震強度偽装などと同じで絶対許してはいけない行為である。

 とりわけ、冷蔵庫の洗浄はともかく主翼の浮力を増す装置の機能検査や油量点検といった基本的な機能の点検整備は、航空機が安全に空を飛ぶために必要不可欠な作業である。

 にもかかわらず、スカイマーク社は「点検期限の4カ月超過が判明したのに、安全性への影響は小さいとしてさらに2日にわたって13便運航した」といい、こうした規定違反を平気で行うような会社の航空機は、いつか必ず重大な事故を起こすに違いない。

○マスコミは、なぜだかこのニュースについて余り大きく取り上げていないが、今回の不祥事は「うっかりミス」ではなくて「確信犯」であり、個人的には不二家どころの問題ではないと思っている。

【4/19:追記】
 このエントリーに「規制緩和バラ色論」のTBがありますが、アメリカにおける航空規制緩和と安全性についての考察を紹介しておきますので、合わせて読まれてから判断されることをお勧めします。

●「米国の航空規制緩和と安全」(山村堯 著)に関する論評(PDFファイル)
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by azarashi_salad | 2007-04-13 23:41 | 社会 | Comments(2) <:/p>

▲「全国学力・学習状況調査」に記名は必要か

●<学力テスト>小6も番号方式…個人情報の保護で文科省(4月10日19時24分配信 毎日新聞)
 今月24日、小6と中3の全児童・生徒を対象に行われる全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、文部科学省は10日、小6向けの解答用紙に名前の代わりに番号を記入する「番号方式」を例外的に認めることを明らかにした。同方式は個人情報保護などのため、一部自治体などから要望があった。
 氏名記入欄がそもそもなく、個人番号で識別する中3とは異なり、小6の解答用紙は氏名記入欄があった。番号という「匿名」のテストに慣れていない小学生の戸惑いに配慮したという。
 しかし昨年、本番と同様の予備調査を行ったところ、家庭の状況などを記入する項目に「家に何冊本があるか」「家の人と一緒に旅行に行く」などプライバシーにかかわる設問があった。さらに、調査の発送・回収、採点などを民間企業が行うことから「個人情報保護に問題が出る恐れがある」などと指摘された。
 このため、文科省は今年3月に方針転換し、市町村の個人情報保護審議会から「氏名記入に支障がある」と指摘された場合などに限って、例外的に番号方式も認めることにした。
 調査の発送作業などは、ベネッセコーポレーション(本社・岡山市)が小学校、NTTデータ(同・東京都江東区)が中学校を担当する。【高山純二】

○実施について賛否両論ある「全国学力・学習状況調査」だが、文部科学省は個人情報保護などの自治体の要望を受け、小6向けの解答用紙に名前の代わりに番号を記入する「番号方式」を例外的に認めることを明らかにしたそうだ。

 この措置について、同記事に関して書かれたブログでは「色々な方法で効率化は分かるけれど、自分の名前くらいは自分で書かせましょう。最低のルールですよ。」なんて指摘もあるが、何か根本的なことを見失っていないだろうか。

○そもそも、今回の「全国学力・学習状況調査」だが、文部科学省のHPによると、調査の目的は以下のとおりとされている。
<調査の目的>
○ 全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から,各地域における児童生徒の学力・学習状況を把握・分析することにより,教育及び教育施策の成果と課題を検証し,その改善を図る。
○ 各教育委員会,学校等が全国的な状況との関係において自らの教育及び教育施策の成果と課題を把握し,その改善を図る。

 この調査目的の、どこに注目すれば児童の氏名などの個人情報が必要なのか、私は理解に苦しむ。ましてや、今回の調査結果は「児童生徒には返却されない」(文部科学省:PDFファイル)という。

 加えて、今回の調査の一部(採点や集計など)を請け負った企業と言えば、NTTデータは「winny」をインストールしていた社員個人のPCから個人情報を流出させたばかりであり、またベネッセはこちらから申し込んでもいないのにどこからか個人情報を入手して「進研ゼミ」のDMを一方的に送りつけてくるのだが、そのような企業に易々と個人情報を提供して良いものだろうか。
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by azarashi_salad | 2007-04-11 08:39 | 社会 | Comments(2) <:/p>

▽都民の選択

●阪神大震災「首長判断遅く2千人犠牲」 石原氏が発言
 石原慎太郎氏は8日夜の会見で防災策に触れ、「神戸の地震の時なんかは(自衛隊の派遣を要請する)首長の判断が遅かったから、2000人余計に亡くなったわけですよね」と発言した。阪神大震災の被災地で反発が出ている。
 震災時の兵庫県知事、貝原俊民氏(73)は「石原さんの誤解。たしかに危機管理面で反省はあるが、要請が遅れたから死者が増えたのではない。犠牲者の8割以上が、発生直後に圧死していた」と反論する。
 震災後に同県の初代防災監を務めた斎藤富雄副知事(62)は「全く根拠のない発言で、誠に遺憾。将来の備えのためにも、過去の災害を適切に分析してほしい」。神戸市に次ぐ被害を受けた同県西宮市の震災時の市長、馬場順三氏(81)は「震災を実際に体験していないから言える発言ではないか」と語った。

○先日の日曜日は統一地方選があり、私も散歩がてら投票してきたのだが、お隣の東京都知事選では、現職の石原知事が他候補を全く寄せ付けない圧勝だったとか。

 選挙期間中は「反省」も口にしていた同知事だが、選挙に勝つやいなや、いつもの石原節が復活したようだ。
 それにしても、この発言は震災被害者や復旧に努力してきた関係者に対していかがなものだろうか。
 ぜひ、「2000人余計に亡くなった」具体的な根拠を説明して欲しいものである。

 まあ、仮に2000人という数的根拠があったとしても、あのような非常時の対応を後から批判するだけなら誰でもできるわけで、そうではなくてあの震災を「他山の石」として、来るかも知れないと言われている首都圏地震の備えに活かしてこそ責任ある知事の姿勢だと思うのだが、こうした発言をする政治家は、自らに降りかかってきた場合は多分「自分には責任はなかった」と逃げるんだろうなあ。

 まあ、これが「都民の選択」だと言うことで。
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by azarashi_salad | 2007-04-10 07:26 | 政治 | Comments(12) <:/p>