△安全性より利便性を優先した「人災」ではないか

●サンパウロ 旅客機炎上200人死亡か 着陸失敗、建物激突 地上も巻き添え(7月18日16時42分配信 産経新聞)
 【ロサンゼルス=松尾理也】ブラジルの最大都市・サンパウロ市南部のコンゴニャス空港で17日午後7時(日本時間18日午前7時)ごろ、ブラジル南部ポルトアレグレ発の国内線TAM航空エアバスA320型機が着陸に失敗し、滑走路を外れて空港敷地外の同航空倉庫に突っ込み、炎上した。乗客・乗員176人の生存は絶望視されている。米CNNテレビは、地上で事故に巻き込まれた人を含め、犠牲者は200人を超えたと伝えており、同国航空史上最悪の事故となりそうだ。
 事故後TAM航空が公開した一部乗客名簿には、「アキオ・イワサキ」という日本人らしい名前があった。サンパウロ在住の日系2世との情報もあり、在サンパウロ日本総領事館で確認を急いでいる。
 AP通信などによると、事故当時は激しい雨が降っており、事故機は着陸直後、ぬれた滑走路で機体のコントロールを失った可能性が強い。
 事故機は空港脇を走る道路を横切り、滑走路に隣接するTAM航空所有の倉庫に激突。付近のガソリンスタンドも巻き込まれ、激しく炎上した。地元紙の報道(電子版)によると、25の遺体が現場から搬出されたが、損傷が激しいため、身元は確認できていない。
 サンパウロの市街地にあるコンゴニャス空港は、ブラジルでもっとも過密な空港として知られる一方で、滑走路が短いため、雨天時の着陸の危険性が以前から指摘されていた。今年2月には、裁判所が同空港への大型機の発着を禁止する決定を下していたが、その後、異議申し立てが認められ、決定は無効となっていた。
 当局は最近改修を行ったが、今月16日にも双発プロペラ旅客機が滑走路を外れる事故があった。1996年にはTAM機が同空港を離陸直後に市街地に墜落し、99人が死亡する事故が起きている。
 ブラジルの航空事故としては昨年9月、GOL航空国内線旅客機がアマゾン川流域に墜落し、乗客・乗員約154人の死者を出している。

○昨日、ブラジルで起きたこの航空機事故だが、事故原因の特定はまだであるが、安全より利便性を優先した「人災」と言われても仕方がないと思う。

 今回の事故が起きたコンゴニャス空港は、もともと「ブラジルでもっとも過密な空港として知られる一方で、滑走路が短いため、雨天時の着陸の危険性が以前から指摘されていた」そうだ。

 その辺の事情は↓の記事に書かれている。

●乗客安全のためだが・空港利用禁止は死活問題・オシアンエアー航空にしわ寄せ
 裁判所が乗客及び周囲住民の安全上、小型旅客機のコンゴニャス空港利用を禁じた。これら旅客機の運ぶ乗客数は同空港経由機全体の四割強、日々一万人が迷惑する。航空会社によっては死活問題とあって、当局、裁定無効化求める
 禁じたのは第二二連邦民事裁(サンパウロ)で、禁じられたのはフオッカー・100、ボーイング737・700及び737・800の三機種。
 ロナルド・カルヴァリオ判事による同裁判所裁定は、飛行機は着陸のさいメイン滑走路の最高八〇%をすべる必要があるとする。
 滑走路距離は一九四〇㍍なので、機体は滑走路終点の三八八㍍手前でとまることになる。その基準から前記三機種が除かれる。
 オシアンエアー航空のコンゴニャス空港利用機の九五%が、今回空港利用禁止になったフオッカー・100である。
 同社をコントロールするシナージ社のエフロモビック会長は、「このままでは破産する」として、裁判所の翻意を求める。
 TAM航空もフォッカー・100を二一機持っている。
 Gol航空も引っかかるがヴァリギ航空は問題ない。
 このため、民間航空庁(Anac)及び、ブラジル空港インフラ業務公社(Infraero)代表は七日、ピーレス国防相と討議の結果、サンパウロの連邦地方裁に同裁定を覆すよう求めることになった。
 同裁定のため、コンゴニャス空港が利用出来ない飛行機が出る。すでに切符を買っている人が少なくなく、混乱が起こり、同空港のみでなくリオ及びブラジリア空港にその余波は及ぶとされる。
 対策として、外された乗客をグアルーリョス空港とビラコッポス空港に回すことが考えられるが、両空港を併せても二三%を消化できる程度で解決にはならない。

 冒頭の記事によれば、同空港では「裁判所が乗客及び周囲住民の安全上、小型旅客機のコンゴニャス空港利用を禁じた」にもかかわらず、その後、民間航空庁及びブラジル空港インフラ業務公社の異議申し立てが認められ、決定は無効となっていたという。

○ちなみに、裁判所が使用禁止命令を出した「ボーイング737・700」の着陸に必要な滑走距離は1,520mである。

●ボーイング737-700のスペック

 これに対して、今回事故を起こした「エアバスA320」の着陸に必要な滑走距離は1,550mで、なんと使用禁止命令が出された「ボーイング737・700」よりも長い滑走距離を必要とする。

●エアバス A320のスペック

○もちろん、今回の事故原因はまだ確定していないが、もし裁判所の決定が無効とならなければ、今回の事故を起こした「A320」は同空港を使用することができなかった可能性が高い。

 つまり、もし民間航空庁及びブラジル空港インフラ業務公社が利便性よりも安全性を重視し、裁判所の決定に異議申し立てを行わなければ、そもそも今回の事故は起きなかったといえるのではないか。

 そう考えると、今回の事故は安全性より利便性を優先したための「人災」と言われても仕方がないと思う。
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by azarashi_salad | 2007-07-19 07:26 | 社会 <:/p>

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