△情報不足

●生活保護辞退の男性死亡=「働けと言われた」-日記に行政不満つづる・北九州(7月11日21時32分配信 時事通信)
 4月まで生活保護を受けていた北九州市小倉北区の一人暮らしの男性(52)が、市の対応への不満をつづる日記を残して死亡していたことが11日、分かった。男性は受給辞退を申し出たが、日記では「(市に)働けと言われた」などと記していたという。
 小倉北署の調べによると、10日午前、男性宅から異臭がするとの110番を受け、署員が駆け付け、遺体を発見した。死亡した時期は不明だが、遺体は腐乱が進んでいたという。
 室内が荒らされたような形跡もなく、同署は事件性はないと判断したが、詳しい死因を調べている。 

○このニュースは情報が少なすぎて、はっきり言ってこの記事だけでは何が問題なのかよく分からない。もしかして市の担当者の「言い方」にでも問題があったのだろうか?

 この男性、まだ52歳と言うから普通に考えれば十分働くことが可能と思えるが、4月まで生活保護を受けていたと言うことは、実はそれだけの理由があったのかも知れない。

 そうでなければ、無条件に生活保護手当を支給するのではなく、真面目に働くように説得すること自体は間違っていないと思うのだが。

【追記】asahi.comに詳しい情報が載っていた。
●日記に「おにぎり食べたい」 生活保護「辞退」男性死亡(2007年07月11日16時16分)
 男性は肝臓を害し、治療のために病院に通っていた。市によると、昨年12月7日、福祉事務所に「病気で働けない」と生活保護を申請。事務所からは「働けるが、手持ち金がなく、生活も窮迫している」と判断され、同月26日から生活保護を受けることになった。
 だが、今春、事務所が病気の調査をしたうえで男性と面談し、「そろそろ働いてはどうか」などと勧めた。これに対し男性は「では、働きます」と応じ、生活保護の辞退届を提出。この結果、受給は4月10日付で打ち切られた。この対応について男性は日記に「働けないのに働けと言われた」などと記していたという。

○この記事によると、どうやらこの男性は生活保護を受けるだけの理由があったようだ。とすると生活保護を打ち切った市の判断ミスということか。

 また、記事によると同市では今回の事件以外にも2度も同様の事件が起きており、法律家や有識者らにより改善策を検討していたらしいが、それも功を奏さなかったみたいだ。
 こうした不幸な事件の再発を防ぐためには、市がどうしてこのような判断ミスを犯したか検証する必要がある。

 もし、原因が担当者個人の資質によるものなら、その担当者個人に全責任を負わせて排除すればいいが、そうではなくて例えば、同市では数値目標的に生活保護の打ち切りがノルマ化されているといった組織的な問題があった場合は、たとえ担当者が替わっても同じことが繰り返されることになる。

 同市では、たった3年間で3度も同じような事件が起きていることをふまえると、私の個人的な考えだがどうも後者のような気がしてならない。
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by azarashi_salad | 2007-07-11 22:50 | 社会 | Comments(7) <:/p>

Commented by 彰の介 at 2007-07-12 18:41 x
お久しぶりです。彰の介です。
私は、この男性が死んでしまったことすら全く知らなかった、人間味のない市の対応には、何かしら問題はあったと思います。
ただ、上記報道は、依然として情報不足だと考えます。そもそも、死因は餓死と決め付けられていますが、そうだったかどうかわかりません(脳出血等の突然死だったかもしれません)。また、この男性の「病気で働けない」「働けないのに働けと言われた」という言葉をそのまま受け取っていいのかどうかも全くわかりません。本当は働けたのに、うらみつらみを書き残して突然死していたとしたら、市職員にはあまり問題ないような気がしますし、それこそノルマで、削れそうなとこを削ろうということで補助がきられ、餓死していたとしたら、これは大問題でしょう。そんなわけで、なかなか上記報道で評論するのは難しいかな?と考えますがどうでしょうか。
Commented by azarashi_salad at 2007-07-12 22:34
♪彰の介さん、こんばんは。
おっしゃるとおり、まだまだ情報が少なすぎて、何が問題なのかがよく分からない事件ですね。
マスコミも何を訴えたいのかよく分かりませんが、とりあえず役所を批判しておけばいいと言う記事のような気もします。
この男性は肝臓を患っていたそうですが、もしかすると、もともとアルコール依存症で働かないのを市の職員が知って、「そろそろ働いてはどうか」と言ったのかも知れないし、結果だけを見て市の対応に問題があったと判断するのは、ちと早計だったかも知れません。
Commented by おかにゃん at 2007-07-13 01:19 x
こんばんは。
実は私もこのニュースには何ともいえない違和感を感じていました。
これだけの情報で,「市の対応はけしからん」といって本当によいのかなあ,って思いました。
生活保護の実体ってかなりひどい部分があり,いわゆる「えせ受給者」と呼ばれる,「本当は働けるのに働かない」という人たちがかなりおり,福祉事務所はその対応に悩まされています。当然,こういう人たちをどんどん排除するべきなのですが,そういった地道な作業については全くと言っていいほど評価されていません。
今回の方がどういうタイプの受給者だったのか,もちろん全く分かりませんが,少なくとも「北九州市はえせ受給者をどの程度排除に成功したのか」という点についても,もう少し取材して報じる必要があるのでは,と思います。
もちろん,えせ受給者排除のために,正当な受給者が誤って排除されることまで許容しているわけではありません。そこの切り分けは永遠のテーマですから。
Commented by azarashi_salad at 2007-07-14 08:04
♪おかにゃんさん、こんにちは。
私なりに少し調べたところ、どうも北九州市の生活保護に対する対応は、以前から問題が指摘されていたようです。
●北九州の生活保護行政、「違法性が高い」と調査団批判
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/scrap/hogo/ho_06102601.htm
ただ、これらの記事を見ても北九州市の対応が他の自治体と比べて厳しい理由(背景)がどこにも書かれていません。
他の記事でも「高齢化の進展や貧困層の増大で、全国的に保護率や保護費は増加しているのに、北九州市だけが横ばいか減少している」という弁護士の指摘はありましたが、どうして北九州市だけがこうした状態なのか、その理由(背景)にまで踏みこんだ記事が見つかりません。
マスコミが書きたくないのか、それとも書くなという圧力がかかっているのか、面倒だからそこまで検証する気がないのか?
Commented by azarashi_salad at 2007-07-14 08:05
また、こうした一連の問題と今回の事件が直接結びつくかについても、今報道されている情報だけではまだまだ検証が甘いという感じです。(続報も出ていないようですし)
こうした不幸な事件の再発を防止するためには、問題の根元となっている背景(理由)にまで踏みこまなければ、いつまでたっても同じことが繰り返されますので、「社会の木鐸」たるマスコミにはそこを掘り下げた記事を期待したいですね。
Commented by 議論がマスコミ依存では? at 2007-07-14 19:38 x
なんか、マスコミの報道について常に批判的なのに、結局マスコミの伝える物だけをベースの議論になっていませんか。だれか現場に電話の一つでもしたんでしょうか。マスコミに期待しないで、「集団知」ってやつで議論すればいいんじゃないですか。それとも、自分で調べる価値がないからマスコミ報道だけに、依存して、嫌いなマスコミに「期待」すんですか?それとも「時事と読売と朝日が集団となった知」?
Commented by azarashi_salad at 2007-07-15 07:09
>結局マスコミの伝える物だけをベースの議論になっていませんか。
♪プロが伝えるものをベースに議論することがおかしいと言っているのでしょうか?
>マスコミに期待しないで、「集団知」ってやつで議論すればいいんじゃないですか。
♪そんなことを言ったら、それこそプロのマスコミ関係者に失礼ですよ。

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