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▲右も左も、肝心のトップは「われ関せず」

▲右も左も、肝心のトップは「われ関せず」_a0008617_12544685.gif●前回のエントリー(【耐震偽造問題に対する公的資金投入について考える】)では、政府が決めた公的支援について、詐欺の被害者など他の国民との不公平性を指摘するとともに、ローンの担保を審査した銀行(金融機関)にも一定の役割を果たさせてはどうか、という「よろずもめごと論」さんの提案を紹介した。

○ここにきて、一部のコメンテーターからも同様の意見が聞こえてくるようになったが、銀行の話題になると司会者があわてて話を逸らすあたりが笑える。

 それはともかく、この件に対する各紙の社説は以下の通り。

●耐震偽装対策 安易に国民へツケ回すな(産経新聞)

 今回は自然災害ではない。支援の整合性について、国交省は納税者が納得する説明をできるのだろうか。

●耐震偽装 素早い支援はいいけれど(朝日新聞)

 公的な支援は事態に応じて柔軟であっていいが、他の被災者との公平を保つことも必要だろう。

●耐震偽造支援 リップサービスは許されない(毎日新聞)

 問題は、地震や水害などの災害時の救済策とのバランスを保ち、国民の間に不公平感が生じないように留意することだ。とくに耐震性を考えるならば、全国には耐震強度に不安を抱える建物が約1400万戸もあることを忘れてはならない。それらの耐震構造化への補助などとの釣り合いも考慮すべきだ。

●「強度偽装」対応策を耐震推進の契機に(日本経済新聞)

 今後の問題は強度の偽装がさらに多くの地域で表面化する可能性があるほか、今の耐震基準を施行した1981年より前の建物には倒壊の恐れがある住宅もあることだ。今回の耐震偽装事件を契機に、耐震対策を強力に推し進めていきたい。

●[耐震強度偽装]「全容解明し再発防止策を講ぜよ」(読売新聞)

 支援の法的な根拠はあいまいだ。今後も欠陥建築の問題が起きるたびに、同じような補償を求める声が出かねない。自然災害などの被害者救済と、公平性の点で疑問視する声もある。

○まあ、若干取り上げ方に温度差はあるが、今回の公的資金投入については、右も左もなく、どの新聞も一様に国民間の公平性からみて問題があると指摘している。

 前回のエントリーにも、恐らく日頃は私と全く政治スタンスの異なる方からも「同感」とのコメントをいただいた。
 それほど、今回の公的資金投入については国民の理解が得られていないのだと思う。
 にもかかわらず、この問題に関する小泉首相の発言が全く聞こえてこないのはなぜだろう?

 北側国土交通大臣が言う通り、「建築確認は公の事務で、そこに重大な見落としがあったわけだから、行政としても当然、責任を担わなければいけない」のであれば、政府の最高責任者として首相は国民に説明を尽くすべきであり、また、マスコミもそれを求めるべきではないだろうか。

 こうしてみると、この事件の登場人物たちの無責任体質が、「われ関せず」の首相の姿勢とダブって見えて仕方がない。

【12/11:追記】
前回のエントリーに多くの方からコメント&TBをいただきありがとうございました。
次の記事では、国家賠償法について調べたことをエントリーしてみました。

by azarashi_salad | 2005-12-10 23:44 | 政治 <:/p>

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