▽サンタクロースの絵は「広告物」なのか?

a0008617_0173427.gif●タクシー30台見切り発車 『サンタ』ホイール問題(2005年11月16日 東京新聞)
 サンタクロースの絵柄のホイールキャップを付けたタクシーの走行をめぐり、ホイール広告を認めない東京都と「広告ではなく装飾」とする製造業者が対立している問題で、業者側は十六日、まず三十台を走らせ始めた。「あくまでクリスマスの飾り。都民に見て判断してもらいたい」と話す業者に対し、都は困惑している。

○今日知ったこのニュース、なかなか考えさせられる興味深いテーマだ。

 論点は、東京都が説明している「サンタの絵も屋外広告に当たる」との指摘が正当かどうかに尽きるのではないだろうか。
 そこで「屋外広告」の定義について調べて見ると、ちゃんと法律で定められていた、へ~!

●屋外広告物法

 この法律の第2条では、「屋外広告物」とは「常時又は一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものであつて、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう」と定義されている。
 したがって、確かにホイールキャップのサンタクロースの絵も「屋外広告物」と解釈できなくはない。

 ただし、それより気になったのが「広告物の表示等の禁止」を規定している第3条の方だ。

 第3条の2では、広告物の表示の禁止にあたって「都道府県は、条例で定めるところにより、良好な景観又は風致を維持するために必要があると認めるときは、次に掲げる物件に広告物を表示し、又は掲出物件を設置することを禁止することができる」と規定されている。

 しかし、「良好な景観又は風致を維持するために必要があると認めるとき」などという、極めて主観的なものさしで行政が国民を規制することの方が危険ではないだろうか。

 加えて、こうした規制の対象となる物件についても、①橋りよう、②街路樹及び路傍樹、③銅像及び記念碑、④景観法(平成16年法律第110号)第19条第1項の規定により指定された景観重要建造物及び同法第28条第1項の規定により指定された景観重要樹木、⑤前各号に掲げるもののほか、当該都道府県が特に指定する物件の5件と規定されている。

 しかし、タイヤのホイールキャップを「当該都道府県が特に指定する物件」とするかどうかについても、極めて主観的なものさしが介在するような気がするのだが。

 現に、石原都知事が「あのようにホイールが回転していないこと自体が、子供たちに間違った印象を与えて危険だ」などと、問題の本質とは全く関係ない発言をしていること自体が、都知事の主観的な考えが大きく作用している証拠ではないだろうか。

 飛行機や船を指して「鉄の塊が飛んだり水に浮かぶことは子供たちに間違った印象を与える」と言っているのと同じだと思うのだが、笑。

○ところで、そもそもこうした規制が生まれた背景には、おそらく行き過ぎた風俗店の広告などを規制する狙いがあったのではないかと想像する。
(少なくともサンタクロースの絵を規制する狙いはなかったのでは?)

 しかし、そのときどきの為政者の個人的な「好み」により、法律が制定された当時の説明とは違った方向で運用されることはよくあることだ。

 このため、例えば「憲法改正」や「共謀罪」の制定についての議論などでも、こうした制定後の運用の危険性について、十分気を付けておく必要があると思う。
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by azarashi_salad | 2005-11-19 12:28 | 社会 <:/p>

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