▼問題意識のない報道

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●先日エントリーした記事(▼しっかりしろ共同通信!)に対して、刺客に怯えながらも医療界の闇を情報発信している(笑)彰の介さんから(医療ミス報道について)の記事をTBして頂いた。

○彰の介さんは、『本当に訴訟になった場合は、当然「故意に打たれるようしむけられた」と主張することになるのでしょうが、そこまでいかなければ、間違えて点滴してしまった以上謝るしかありません』と病院の対応については常識的な普通の対応だったと説明するとともに、『昨今の医療界への報道は、バッシングと、名医崇拝の両極端に集中してしまっています』と、現行マスコミがバッシング目的の報道に偏っていることについて問題提起している。

 私も、医療現場だけにとどまらず教育現場や鉄道現場なども含め、昨今の報道は、とにかく現場のミスをバッシングしておけばいい、という傾向が強くなっているように感じている。
 今回の事件についても、一方では医療現場への迷惑行為という側面もあると思うのだが、報道では点滴を打たれた男性側の非については全くと言っていいほど問題視されていない。

 この記事を書いた記者は、病人でもない成人男性が、どうして入院患者のベッドで寝ていたのか、どうして拒否することもなく平気で点滴を打たれたのか、全く疑問に思わなかったのだろうか?
 それとも、本当は疑問に思ったのだが、この男性の非に焦点を当ててもただの迷惑行為ではニュースバリューに欠けるので、昨今注目されている医療ミスを全面に押し出した記事を書いた方が社の方針に沿うとでも判断したのだろうか?

 本当の理由は、記事を書いた記者本人に聞いてみなければ分からないが、少なくともこうした「問題意識に欠ける報道」が繰り返されていることこそが、今のマスコミが抱えている最大の問題ではないかと私は思っている。

○実は、この問題については高田さん(北海道新聞記者)のブログ記事(「自由記者クラブ」設立の構想)で、『新聞やテレビによる報道の一番の問題は、「発表依存」「官依存」「当局依存」の構造になっている点にある。いわば、「発表ジャーナリズム」に陥っているのであって、どんな理屈を並べようと、現状を俯瞰すれば、当局(大企業等の民間も含む)の広報機関になっている事実は疑いようが無い』と的確に指摘されている。

 つまり、先に述べたとおり記者自身が何ら問題意識を抱かず、ただ社の方針(今回は医療ミスのバッシング)に沿って発表ソースに依存した記事ばかりを垂れ流すから、こうした「問題意識のない報道」が世の中に満ちあふれてしまうということなのだろう。

 こうした現状に危機感を抱いている高田さんは、「脱・当局」「脱・官依存報道」「市民からの情報発信を増やす」を基本に、だれでも参加できる「自由記者クラブ」をつくれないか、との「構想」を披露し、多くのブロガーに対して意見を呼びかけている。

 高田さんのこの呼びかけに対して、本日(10/15)の時点で5つのTBと31のコメントが寄せられているが、私は非常に面白い試みではないかと思っている。
 上のような「問題意識のない報道」を少しでも減らすため、こうした「構想」を是非とも具体化して欲しいと期待してやまない。

【追記】
 そういえば、少し前に「認知症で寝たきり老人の右足指を猫が食べた」と各メディアが報道していた。
 この報道に対しても、おおたさんのブログ記事(猫!あなた何を食べたの?)やstochinaiさんのブログ記事(老人ホームと人食い猫)で、当初から「本当に猫が犯人だろうか?」と疑問の声があがっていた。

 この事件でも、猫の便や胃の中を調べるなど少し調査をすれば事実かどうか分かりそうなものなのに、そうした手間をかけずに「発表ソース」だけに頼って記事にしているという点で共通するものを感じる。
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by azarashi_salad | 2005-10-15 12:54 | 社会 <:/p>

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