▲「NHK新生プラン」について考える

a0008617_1233344.gif●<NHK>「新生プラン」発表 背水の陣、課題なお [ 09月21日:毎日新聞 ]
 「組織や業務の大幅な改革、スリム化を推進する」。20日発表されたNHKの新生プランは、視聴者の大きな批判を受けての再建の骨子となるものだ。全世帯の3分の1に迫る不払い対策として民事手続きによる強制徴収を初めて打ち出したほか、人員削減による収支への効果なども会見で明らかにされた。

○dawnさんから(NHK改革)の記事をTBして貰ったが、先にNHKが発表した「新生プラン」が新たな波紋を呼んでいるらしい。
 今日は台風17号の影響で風が強く、この調子だと外出する気にもならないので、こういう時は「新生プラン」を読んでみるのも悪くない(笑)、というわけで早速読んでみた。





【NHK新生プラン】(平成17年9月20日:日本放送協会)

 NHKは、この「新生プラン」の中で改革の柱として以下の三点を掲げているが、本当に、この内容でNHKは再生できるのだろうか。
1、視聴者第一主義に立って”NHKだからできる”放送を追及します。
2、組織や業務の大幅な改革、スリム化を推進します。
3、受信料の公平負担に全力で取り組みます。

○一つ目の柱である「視聴者第一主義」であるが、これを改革の前面に掲げるのであれば、まずは受信料を納めている視聴者の意見に真摯に目を向けて、改革プランをとりまとめることから始めるべきではないだろうか。
 ということで、受信料を納めている視聴者の立場から、今回の「新生プラン」に書かれている内容を個人的にチェックしてみた。

 まず、冒頭からケチを付けるようで申し訳ないが、始めに書かれている「NHKだからできる放送」という発想がそもそも間違っており、「NHKにしかできない放送」に見直すべきではないだろうか。

 とすると、「迅速で的確な災害報道・緊急報道」や「国民的財産である貴重な映像記録の蓄積を生かす番組、サービス」などは評価できるが、それ以外の例えば「情報が氾濫する中で確かな指針となるニュースや大型企画番組」などは、NHKだけに期待するようなものではないと思える。

 また「視聴者第一主義に立った番組づくり」では、「視聴者の声を反映」や「視聴者とともにつくる」などの耳障りの良い表現ばかりで具体的な中身が全く書かれておらず、まるでどこかの政党のマニフェストみたいなので、早急に視聴者に対して具体的なプランを明示して欲しいと思う。

○次に、二つ目の柱である「組織のスリム化」であるが、このプランだけでは何のためのスリム化なのかがよく分からない。

 もちろん経費の削減が大きな目的だろうが、経費の削減が受信料の引き下げにつながらなければ、私たち視聴者にとっては何のメリットもないどころか、私が唯一評価している番組の質の低下すら招きかねない。

 その意味では、「部局の統廃合や管理部門の縮小など」はNHK内部の組織問題であって、それが視聴者にとってどのようなメリットにつながるのかが全く見えてこないのだ。
 特に、「教育テレビ、衛星ハイビジョンの24時間終夜放送の見直し」などのサービス後退について言及しておきながら、肝心の受信料引き下げについて一言も触れていないというのもいかがなものだろうか。

 また、dawnさんが最も問題視している関連団体については「NHKと一体となった諸改革を進め、時代にふさわしい再編成を行います」と、なんともやる気のないプランにとどまっているような気がするのだが、笑。

○最後に、三つ目の柱である「公平負担」であるが、結論から言わせて貰うとこれはちょっと違うと思う。

 私は受信料を納めているが、この問題については、そもそもこうした事態を招いたNHKという組織の体質、さらには視聴者の理解が得られていない受信料制度を定めている放送法に問題があると考えており、受信料未払い問題に責任転嫁するのはいかがなものだろうか。

 今回の受信料未払い問題は、そもそもNHK職員の不祥事に端を発しているが、ここまで問題が拡大した背景は、現在の受信料制度が視聴者から支持されていないことにある。
 つまり、多くの視聴者はNHKと受信契約を結んだ覚えもないし、受信契約を結びたいとも思っていないということが問題なのであって、NHKが本当に改革を考えているのであれば、その現実から目を背けてはならない。

 にもかかわらず、受信料制度の見直しについても「単身赴任者や学生の料金割引制度の新設」や「口座振替や長期契約者に対する優遇施策」、「受信料未払い者に対する民事手続き」など、現行制度のままでの徴収強化策ばかりが並んでおり、視聴者の理解が得られるような受信料制度に見直すための放送法の改正については一切触れられていない。

 こうした制度の見直しでは、結局は取れるところから取るという新たな「不公平感」を生むだけで、残念ながら視聴者から信頼される公共放送への道のりはかなり遠い、と言わざるを得ない。

 はじめの柱とも共通するが、公共放送として「NHKにしかできない」番組とは何かをもっとよく整理した上で、そのために必要な組織や要員を精査し、それらを維持するために最低限必要な経費から受信料をはじき出す、そのような検討の末に出された「新生プラン」であれば、もう少し国民から支持されると思うのだが。

注)いつものごとく、週末までこちらからTBできませんので、あらかじめご了承ください。
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by azarashi_salad | 2005-09-25 15:41 | 社会 <:/p>

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