△2005年衆院選について振り返る

a0008617_1646620.gif●2004年の参院選の後にエントリーした記事(♪今回の参院選について振り返る:2004/7/12)が、googleで「参院選 blog」で検索するとトップに表示されることが分かった。
 それに気をよくしたからという訳ではないが(笑)、今回の衆院選についても、一有権者の目から主観たっぷりで分析してみたい。


○前回の参院選の投票率は、前々回をやや上回る57%という結果だったが、今回の衆院選の投票率は67%を超え、1996年に現在の小選挙区比例代表並立制が導入されて以降、計4回の衆院選で最高の投票率だった。

 投票率については、前回の記事では「及第点と呼ぶには、まだまだ私たちの努力が足りない」と厳しく採点したが、それと比べてみても、今回は有権者一人一人が前回よりは頑張ったと評価してもいいのではないだろうか。
 ただし、熱しやすく冷めやすいと言われる昨今の風潮をふまえると、次回も今回以上に投票行動が盛り上がるかが、私たち有権者が政治離れから脱却できるかどうかの正念場になるかもしれない。

 なお、今回の衆院選で投票率が急上昇した原因については、劇場型選挙や女性刺客、落下傘候補など、マスコミの報道姿勢に対する問題も色々と指摘されているが、私も「いよいよ選挙もプロデュースする時代になったのだなあ」との印象が強く、今回の衆院選は「プロデュース側の勝利」と言い換えてもいいのではないかとすら思っている。

 今後は、各党ともこうした「選挙プロデュース」に力を入れてくるのではないかと思われるが、イメージだけが先行し、本来あるべき政策論争がおろそかにならないかがちょっと気掛かりである。

○ところで、このブログでは投票前に【マニフェストは政治という高額商品のカタログだ】と主張したが、残念ながら各党のマニフェストはまだまだ抽象的な表現が多く具体的な数値(データ)が不足しており、高額商品を選ぶためのカタログとしては不十分と言わざるを得ない。

 このため、今回「政治」という高額商品を買った多くのユーザー(有権者)は、マスコミを含めた売り手側の戦略に乗せられたまま商品を購入してしまったとの感が拭えない。
 しかし、他のあらゆる商品と同じように、これらのマニフェストに対しても、今後はユーザーである有権者の目が肥えてくるのは必至である。

 加えて、「おかにゃん」さんが紹介していたように「価格com」が各党のマニフェストを比較するような新たな動きも出てきており、商品レポートではないが、こうした比較サイトの声を参考に投票する有権者の数が、今後は一気に増えてくるのではないだろうか。

○一方、商品レポートに例えるのであれば、各党がマニフェストに書いている政策の実行力が大きく問われてくると思うが、現実的には政権与党でなければ実際の政策への反映は困難である。

 そこで、政治家(政党)の実行力を「法案の作成力」と見なすことにより、有権者は、それぞれの政治家(政党)がどのような法案を国会に提出したか、その中身について質と量を客観的に評価することが可能となる。

 したがって、政治という高額な商品のユーザーであり、また政治家たちの雇用者でもあるわれわれ有権者としては、客観的なものさしで政治家(政党)の「法案の作成力」を評価した上で投票することを意識すればいいのではないだろうか。

○最後に、このように書くと「ガ島通信」さんに「エセサヨク」とか言われそうだが(笑)、現状の選挙制度に問題がないか考えてみたい。
 今回の衆院選における各政党別の得票数をみると、以下のとおりである。

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 今回の選挙では、私たちは小選挙区と比例代表と二回投票したわけだが、小選挙区では自民・公明両党の得票総数が約3350万票、民主・社民両党が約2600万票、共産党が約500万票、その他が400万票である。

 一方、比例代表における各政党別得票総数は、自民・公明両党で約3350万票、民主・社民両党で約2500万票、共産党約500万票、その他が約330万票であり、こうした有権者の投票結果だけを見ると、小選挙区と比例代表に明確な差は見受けられない。

 これは松岡さんが「疑似・大統領制」と指摘した通り、有権者の側からすると、例えば自民党の公認候補は全員、小泉首相の仮面を被っているように見えたのではないか。
 つまり、言い換えれば有権者は立候補している議員一人一人ではなく、各党のマニフェストまたは各党の代表により、投票する対象を選択した表れと分析できるのではないだろうか。

○そこで、自民党の圧勝、民主党の大敗という表面的な選挙結果だけを見ると、この国の有権者はいかにも政治バランスが悪いようにも思えるが、有権者一人一人の行動は一票(正確には二票か?)を投じることしかできないのだから、上の表で紹介した投票結果に目を向けると、与野党が拮抗するような意外とバランスのある選択を行ったことが分かる。

 このように、有権者一人一人がバランスのある行動をしたにもかかわらず、自民党296、民主党113という衆院議員の議席数になったことは、やはり有権者の意志(民意)を正しく反映していないと思わざるを得ない。

 したがって、選挙期間中に小泉首相が主張していたように、日本の政治をこれまでの地域への利権誘導型から脱却し、政策を中心に有権者が選択する政治へと変えようとするのであれば、各政党の得票数と議席数が可能な限りリンクするような選挙制度に見直すことも必要ではないだろうか。
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by azarashi_salad | 2005-09-17 11:02 | 政治 <:/p>

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