環境省が「特措法」施行規則(環境省令)改正のパブコメを実施中

昨年春に出版した本『日本が“核のゴミ捨て場”になる日 (震災がれき問題の実像)』で警告したとおり、多くの国民には分からないように「核のゴミ」の規制緩和が進んでいます。
◆『日本が“核のゴミ捨て場”になる日 (震災がれき問題の実像)』(旬報社)

環境省が「特措法」施行規則(環境省令)改正のパブコメを実施中です。
(パブコメの詳細については以下のリンクで直接ご確認下さい)
◆「放射性物質汚染対処特措法施行規則第二十八条及び第三十条の一部を改正する省令案等の概要」に対する意見募集(パブリックコメント)について(環境省)

今回の規則改正について内容を確認したところ、廃稲わらや除染廃棄物など以外は、福島県も含めてほぼ全ての「特定廃棄物」が規制対象から外れ、「通常の廃棄物」として処理される可能性が濃厚です。
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この規則改正に対して何も声を上げず容認すれば、今後は指定廃棄物(8000Bq/kg超)や廃炉廃棄物へも規制緩和の対象が順次拡大されることは間違いありません。(詳細はこちらをご覧下さい)
◆パブコメ2016.2.24まで【「放射性物質汚染対処特措法施行規則第二十八条及び第三十条の一部を改正する省令案等の概要」】が狙うものは?

「特措法」基準(8000Bq/kg)の導入により、今でもクリアランスレベル(100Bq/kg)を超える「核のゴミ」がセメントや肥料の材料等としてリサイクルされており、今回の規則改正によって放射能汚染の拡散に拍車がかかることは確実です。
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震災がれき広域処理に反対して活動してきた私にとって、今回の規則改正は看過できない問題なので、ぜひ皆さんとこの情報を共有するとともに、ひとりでも多くの方がパブコメを集中することが重要です。

私が考えているパブコメ(素案)は下記の通りです。
この問題の原点に立ち返り「特措法」の廃止と原子力市民委員会が、特別レポート「核廃棄物管理・処分政策のあり方」の中で主張している「放射能汚染防止法」(仮称)の制定を訴えたいと思います。
◆「核廃棄物管理・処分政策のあり方」(原子力市民委員会)

パブコメ意見(素案):「特措法」を廃止し「放射能汚染防止法」(仮称)の制定を

・放射能汚染対処特別措置法(H24年1月1日施行)(以下、「特措法」)は「政府は、この法律の施 行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」と明記し、法施行から三年経過後の見直しを規定している。

・しかし環境省は、平成24年12月9日に「特措法」施行規則を改正(平成24年環境省令第34号)し、法施行一年以内にもかかわらず特定廃棄物に関する規制を緩和しており、法による規制を軽視していると言わざるを得ない。

・また「特措法」施行日がH24年1月1日にもかかわらず、前回(平成24年12月9日)の規則改正で見直された廃棄物(図2の「△」)は「平成24年1月1日以降に排出されたことが明らかなもの」を規制対象から除外しており、現状でも実効性の薄い規制と言わざるを得ない。
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・さらに今 回の規則改正で見直しを行う廃棄物(図2の「☆※1」)も「環境大臣の確認を受けた施設から生じる廃棄物」は規制対象から除外されるため、現行の規制を維持する廃棄物は「廃稲わら、廃堆肥、除染廃棄物、特定廃棄物の処理物」のみとなり、これまで以上に実効性の薄い規制となりかねない。

・そもそも原発事故以前の法規制では、放射性物質に関する基準(クリアランスレベル)は100Bq/kgであったにもかかわらず、80倍も緩和した基準(8000Bq/kg)を強行導入し、現在もダブルスタンダード状態のまま放置していることが「特措法」最大の欠陥である。
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・上記の通り、「特措法」及び同施行規則は数多くの矛盾や問題点を抱えており、地域環境および住民の安全を守る法規制として十分に機能し ているとはとても言い難い。

・放射性物質に関する法規制を「正しく改める」のであれば、まずはダブルスタンダードを解消するため「特措法」基準(8000Bq/kg)をクリアランスレベル(100Bq/kg)に戻す、これこそが本来行うべき「見直し」の方向性である。

・このため、環境省は今回の規則改正を直ちに中止するとともに、速やかに「特措法」を廃止し、放射性物質に関する基準をクリアランスレベル(100Bq/kg)に一元化した上で、安全規制面を強化した「放射能汚染防止法」(仮称)を制定するなど、放射能汚染の監視および規制を強化すべきである。

※「パブコメ」はこちらから意見出可能です。(個人情報の入力は任意です)
◆「放射性物質汚染対処特措法施行規則第二十八条及び第三十条の一部を改正する省令案等の概要」に対する意見募集(パブリックコメント)について(e-GOV)

※上記パブコメ素案をそのままコピペすると文字数制限をオーバーするので適宜手直しして活用ください。

【参考情報:2/14追記】
パブコメ対象の「特定廃棄物」見なおしと平行して「指定廃棄物」見直しが報道されています。
◆2016.2.4【8000Bq/kg下回れば通常処分、環境省案 原発事故の指定廃棄物、解除手順提示】関連ツイートまとめ

この問題について環境省に電凸して確認したフォロワーさんからの情報。

「指定廃棄物」の「指定解除」が実施された場合、例えば、廃稲わらの場合、特定廃棄物の適応条件をチェックして、要件を満たせば、特定(一般・産業)廃棄物として残る、ということでした。

以下はこの「回答」に対する私の所見です。

環境省回答の通り、汚染廃棄物には「特措法」による「指定廃棄物」としての規制と「特定廃棄物」としての規制が二重に課せられています。しかし政府・環境省は双方の規制を緩和して、全ての汚染廃棄物を「通常の廃棄物」として処理できるよう法改正(および規則改正)を検討しています。

「指定廃棄物」が「特定廃棄物」として残れば、自治体が求めている処分なんか出来ないので「通常の廃棄物」として処理できるよう省令を改正すると思われます。それが「要件を満たせば」の意味です。「省令改正」は「法改正」と違って国会審議が不要なので見直しのハードルが低いのです。

つまり、最終的には「全ての廃棄物を『通常の廃棄物』としてリサイクル処理可能」とすることが、政府・環境省の狙いと思われます。

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by azarashi_salad | 2016-01-31 15:07 | 政治 | Comments(2) <:/p>

Commented by 霧吹き at 2016-02-22 21:16 x
パプコメ投稿しました。ご参考まで。

今回の改正案は、特定一般廃棄物・特定産業廃棄物(6400Bq/kg)以下に下がった放射性廃棄物を、家庭ゴミを燃やしているような一般のゴミ処理施設でも焼却処理できるようにするものです。福島原発爆発事故前は、キロ100Bq以上の廃棄物はドラム缶に入れ厳重に管理し、焼却・灰の埋め立てを行うことは禁じられていたはずです。

爆発事故によって、東日本全体に事故前とは比較にならないほど高濃度な放射性廃棄物が発生しました。そうした現状があるからといって、なし崩しに基準値を大幅規制し、事故前とは比べものにならないほど放射能汚染された廃棄物を一般のゴミ処理施設で焼却できるように改訂するのは、放射性廃棄物という危険物に対する基準値の意味をなしていません。

しかもこの改正案は、一般のゴミ処理施設で実際に処理される際の、放射能の濃度、総量、焼却灰の最終処分場施設に対する規制とは切り離されています。放射性廃棄物の焼却や埋立てを前提とせず建設された既存の施設の運用規制と切り離し、省令改正後に後追いで現場の規制を改正することは、危険としか言いようがありません。全国の施設職員や施設周辺の住民が、この改正案を認識しているとは思えません。

また、今回のパブリックコメントの参考資料には、放射性廃棄物に対する国際的な基準が明示されている資料が全くありませんでした。総量規制もなくキロ6400Bqのゴミを、世界中のどこの国に、家庭ゴミ用の焼却場で焼却して灰を埋め立てているところがあるのでしょうか?

日本は、震災から5年になろうとしてますが、福島原発の放射能漏れは収束とはほど遠い状態にまだあります。この改悪ともいえる省令改正案が、5月開催の国際的な環境サミット会場で噂にのぼったら、日本の国際的評価にも響きます。

以上のような理由で、この改正案には瑕疵があり、反対いたします。

Commented by azarashi_salad at 2016-02-23 05:33
お疲れ様です。最後の段落が環境省に届くといいですね、(^_^)v

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