▽課題が山積の「愛・地球博」

●客の流れさばけない 荷物検査に長蛇の列[CHUNICHI WEB PRESS] 愛・地球博特集 - 3月20日

 19日に開催された「愛・地球博(愛知万博)」の内覧会には5万人以上が詰めかけたが、予想されていた運営面の問題点が一気に露呈したそうだ。
 多い日は15万人以上の入場が見込まれているのだが、博覧会協会は有効な対策を打ち出せるだろうか。


○この内覧会で明らかになった課題は大きくわけて、「会場へのアクセス」「人気パビリオンの入場方法」「飲食店の行列」など、いずれも当初から予想されていたものばかりです。

 「会場へのアクセス問題」については、「走るパビリオン」青息吐息 足止め4000人やきもき[CHUNICHI WEB PRESS] 愛・地球博特集 - 3月20日にも書かれているとおり、「1時間に1万5000人を運ぶ同市営地下鉄東山線に対し、藤が丘駅で接続するリニモ(3両編成)は約4分の1の4000人余り」という交通容量管理のまずさに根本的な原因があると思います。

 これに対して博覧会協会は、「リニモ自体は編成車両数の増設はできず運行本数を増やすことも難しい。藤が丘駅の混雑防止のためJR名古屋駅とリニモの万博八草駅をつなぐJRの直行列車『エキスポシャトル』の利用を勧める」としています。
 しかし、一方では「アルバイト店員が不慣れなうえ、リニモの大混雑で遅刻者が続出。少ない人手でやりくりせざるを得なかったのも一因だ」とも報じられており、来場客に代替交通を勧めるのであれば、少なくとも会場スタッフにはリニモを利用させるべきではありません。
 せめて、会場スタッフ専用の送迎バスを運行させるぐらいの対策は、早急に講じるべきではないかと思います。

○「人気パビリオンの入場方法問題」では、「日立グループ館、三井・東芝館など人気パビリオンでは最大3時間待ちの大行列ができ、トヨタグループ館は見学に必要な整理券が午前9時半の開場から1時間強でなくなった」と報じられていますが、先ほどの交通アクセス混雑解消のためにも「先着順に整理券を配るやり方」は大いに問題があるといえそうです

 トヨタ館は「遅い時間帯のショーを整理券なしにすることも検討したい」と、少しでも不公平感をなくす工夫を模索するそうですが、折角来場したにもかかわらず目当てのパビリオンに入れないということがないよう、もっと「観覧予約システム」を積極的にPRすることも必要だと思います。

○最後に「飲食店の行列問題」については、「会場には弁当を持ち込めないだけに、飲食店の混雑は入場者の不満をいっそうかきたてた」そうで、当然の結果といえるでしょう。

 飲食物の持ち込みについては「弁当・飲料の持ち込み禁止 座席不足で長蛇の列に[CHUNICHI WEB PRESS] 愛・地球博特集 - 3月9日」の記事でも「25日に開幕する愛・地球博(愛知万博)で会場内に弁当やペットボトルの持ち込みが原則禁止されることに疑問の声が上がっている。博覧会協会は衛生上の問題とテロ防止を主な理由にあげるが、会場内の飲食店は値段が高く、混雑時には座席が不足して長蛇の列ができそうだ。協会は現時点で『方針を変えるつもりはない』と言うが、このままでは“愛”のない地球博になりそう」と皮肉たっぷりに報じられていました。

 弁当類の持ち込み禁止について、博覧会協会は「梅雨時や夏に腐りやすく食中毒の恐れがある」ことを強調していますが、自ら持ち込んだ弁当の食中毒などそれこそ「自己責任」以外のなにものでもなく、そういう心配は博覧会に出店するレストランにこそ周知徹底して頂きたいものです。

 また「液体の爆発物や薬品を入れる恐れがあるから」という理由でペットボトルの持ち込みも禁止されているそうですが、水筒の持ち込みが可能であることを考えると、こちらも納得できる説明にはなっていません。

 その一方、「会場内のコンビニ店には外で調理した弁当の販売を許可し、VIP(要人)用弁当は持ち込みを一部認める」そうで、この「ダブルスタンダード」に対して来場者の不満はさらに高まるのではないかと想像されます。

○会場内には飲食店が40店しかなく、一度に食事できるのは約6000人にもかかわらず、混雑時の1日最大入場者は20万人と予想されています。
 しかも高級和食店の弁当は3000円以上、そばが1000円、ファストフードのハンバーガーセットも1000円、一部のミネラルウオーターは600円だそうで、協会は「価格は市場価格が基本。特別に高くはない」と話しているそうですが、どう考えても出店レストランの利益優先でしょう。(笑)

 このような規制は「大阪万博」や「浜名湖花博」などでも行われたことがなく、「東京ディズニーランド」でも弁当やペットボトルの持ち込みは可能となっており、園外に特設された「ピクニックエリア」と呼ばれるエリアで食べればいいそうです。

 食べ物と飲み物の持ち込み規制と売店の混雑により、「熱中症」や空腹による「急性貧血症」などの病気になる来場者がでれば、それこそ博覧会協会の管理責任が大きく問われる事態になるのではないでしょうか。
 今回の内覧会により、以前から予想されていた問題が現実のものとなったわけですから、博覧会協会には勇気ある「方針変更」を望みたいと思います。
[PR]

by azarashi_salad | 2005-03-20 15:21 | 社会 | Comments(0) <:/p>

<< ▲「ものづくり」の価値を見直そう ☆九州北部の地震について >>