▼これは危険なトラブルだ

●日航機トラブル 逆噴射不作動で着陸 子会社の整備ミス(毎日新聞:7月27日)
 日本航空の羽田発新千歳行き1001便(乗員・乗客284人、ボーイング777-300型機)が、左右エンジン(各1基)の逆噴射装置が作動しないまま着陸していたそうだ。
 けが人や混乱はなかったが、直前に子会社に委託した整備作業の終了時、同装置を不作動にする安全ピンを抜き忘れたのが原因で、同社は今井孝雄・日航インターナショナル常務整備本部長を報酬1カ月10%カットとする社内処分を発表するとともに、国土交通省は再発防止策を求めた文書で厳重注意したとか。

○この記事によると、JALは『同機の場合、通常、起点の高度30メートルから滑走路上で停止するまで「1400メートル」。このトラブルで「1400メートルを超えてはいるが、どれだけ延びたのかは不明」「万が一、滑走路が凍結したうえ、逆噴射装置が作動しなくても3000メートルあれば問題ない」と説明しているそうです。
 ちなみに、ネットで検索した同機種の「着陸滑走路長」は「1830メートル」となっていますが、前提条件が違うため、おそらくこの説明自体に「嘘」はないのでしょう。

 しかし、以前にもこのブログでも紹介したと思いますが、沖縄の石垣空港(滑走路長:1500メートル)にB737-400(着陸滑走路長:1480メートル)で着陸した場合、シートベルトをしていなければシートから滑り落ちるくらい急激な逆噴射をしても滑走路の端ギリギリでしか止まれないので、もし同じトラブルが石垣空港行きの同機種で起きていたならば間違いなくオーバーランしていたのではないでしょうか。

 つまり今回のトラブルは、たまたま滑走路長が3000メートルもある新千歳空港だったため大きな事故に至らずに済みましたが、一歩間違えれば大惨事を引き起こしていたかも知れない危険なトラブルだったのかと思うとゾッとしてしまいます。

 マスコミは、今回のトラブルもいつもと同じように単純な整備ミスとして報道していますが、同じミスでもその性質の違いによりメリハリをつけた報道を心がけなければ、かえって「オオカミ少年」になってしまうのではないかと気がかりです。

○今回のミスは、JALが子会社に委託した塗装作業と、作業後に引き渡しを受けたJALのチェックの隙間で生じた組織的ヒューマンエラーだと思われます。
 この件については、最近読んだ畑村洋太郎氏の著書「失敗の法則」に思い当たることがかなりありますので、この続きは週末にエントリーしたいと思います。
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by azarashi_salad | 2005-08-07 13:12 | 社会 <:/p>

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