☆かろうじて国民の信頼を保ったマスコミ業界

●「NEWS」未成年飲酒でフジ社長が陳謝(読売新聞:7月22日)
 フジテレビの村上光一社長は、菊間千乃(ゆきの)アナウンサーら同社社員が人気男性グループ「NEWS」の未成年メンバー(18)と飲酒した問題について、「誠に申し訳なく、関係者、視聴者に深くおわび申し上げます」と陳謝したとか。

○前回の記事(▲マスコミに自浄能力は存在するのか)において、「マスコミの自浄能力が試されている」と指摘したフジテレビアナウンサーの未成年飲酒問題ですが、上のニュースをはじめ、今回の事件に対する一連のマスコミの対応を見る限りは、なんとか報道の公平・公正性を保ったと評価してもいいのでないでしょうか。

 この事件について触れたブログ記事では、フジテレビの対応を批判する意見だけでなく、「国家公安委員長がコメントするような問題か」と政府側の今後の報道規制を危惧する意見や、「みんなも18歳にもなれば飲酒しているではないか」という現行法がそもそも実態からかけ離れている、という意見なども見られました。

 今回の事件については、私はあくまで社員教育の範疇と考えており、その意味でも本人だけでなく管理責任にまで踏みこんだフジテレビの対応については、今後とも「高い職業倫理」を保ち続けていこうとする意志表明として好意的に受け止めたところです。
 できれば、こうした事件を契機にマスコミ業界全体として「自分たちが情報を一手に握っている」という奢りがなかったか、足下を見つめ直す良い機会につながればと思います。

○ところで、先日たまたま「ヒューマンエラー」に関する某大学教授(某大学文学部心理学科)のセミナーを受講する機会があったのですが、そのセミナーでも今回の事件について少しだけ触れられていました。

 どういうことかといいますと、人間行動から見た事故(事件)の2大要因は「エラー(=意図しないでおかすミス)」と「不安全行動(=意図的なリスクテイキングや違反)」であり、どちらもシステム的にはヒューマンエラーですが、心理的メカニズムが全く異なるのだそうです。

 そして、意図的な不安全行動や違反は、エラーの確立を増やして事故(事件)に結びつく確立を増やすだけでなく、事故が起きたときの被害を増やしたりエラー防止対策を無力化するので、ヒューマンエラーを減らすためには意図的な違反・不安全行動に着目してコントロールすることが必要なのだとか。

 さらに、人間が意図的なルール違反をおかす要因としては、①ルールを知らない、②ルールを理解していない、③ルールに納得していない、④みんなも守っていない、⑤守らなくても罰せられない、の5点をあげていました。
 そういわれてみると、今回のアナウンサーがとった行動もみごとに上の要因に当てはまっているような気がしますが、では、どうすればこうした違反を減らすことができるのでしょうか。

 この教授は、違反を減らすためには、①うっかりミスを責めず意図的な違反を責める、②ルールの納得性を高める、③違反・不安全行動は個人ではなく集団にアプローチする、ことが重要だと説明していました。

 「ミス」と「犯罪(=違反行為)」の区別なく、結果だけに注目して表面的な当事者を批判するマスコミ報道のあり方については、このブログでも何度か「おかしいのではないか」と問題提起してきましたが、教授のこの説明を聞いて、あらためて事故や犯罪の撲滅とマスコミ報道のあり方について考えさせられました。 
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by azarashi_salad | 2005-08-07 13:11 | 社会 <:/p>

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