【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像-(第21回)

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(第21回:「震災がれき」から「核のゴミ」の全国処理へ⑤)

福島第一原発事故由来の汚染の場合は、「特措法」により8000Bq/kgまでは「汚染されていない」とみなして廃棄物処理法で処理できるようになっている。つまり、原子炉等規制法のクリアランスレベルと「モノサシ」が逆転現象を起こしている。

したがって「最悪のシナリオ」としては、今後は現行のクリアランスレベル(100Bq/kg)を規制緩和して、「特措法」の基準(8000Bq/kg)に合わせる。そこまで考えておいた方が良いのではないだろうか。

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2014年11月10日の朝日新聞報道によると、東京電力福島第一原発事故で汚染された稲わらなど指定廃棄物の処分場建設に関し、望月環境大臣は「指定廃棄物は、基準となる1キロあたり8千ベクレルを下回れば『普通の廃棄物として処理できるようになる』」と説明したという。

このように、国民的な議論もないまま「特措法」による杜撰な処理を強行しつつ、原子炉等規制法による放射性廃棄物の規制もまた、なし崩し的に見直されようとしているのではないか。

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鳥取市内に放射性廃棄物が不法投棄された問題に関して鳥取県の平井伸治知事は、放射性廃棄物を処理するための新たな法整備を国に要望したという。政府は、こうした地方の声を代弁者に仕立てて「特措法」の恒久化につながる法整備を目指しているのではないか。

福島第一原発事故が原因でも、それ以外が原因でも放射能汚染に違いはない。8000ベクレルまでの汚染廃棄物を「普通の廃棄物」として処理するようになれば、クリアランスレベルも規制緩和されて同じ基準になるのは、火を見るより明らかだ。

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この規制緩和が実現すれば、原発の廃炉作業で発生する廃棄物は、殆ど通常の産業廃棄物として処理が可能となる。

六ヶ所村や政府が検討中の「最終処分場」(地層処分場)で処理が必要となるものは、使用済み核燃料など、ごく一部の限られたものだけになる。これにより、政府や電力会社にとっては、廃炉コストの大幅な削減に繋がる。

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原発の廃炉で発生するがれきは、1基分で約50万トン、全国の原発54基分だと約2700万トンだ。(スソ切り分も含む)

震災がれきの処理では、「お宝」と化したがれきは一般廃棄物として各自治体による争奪合戦まで起きた。しかし、各地の住民による粘り強い反対運動により、一部の自治体を除けば広域処理は事実上崩壊した。

一方、廃炉廃棄物は産業廃棄物として処理されることもあって情報が住民に隠ぺいされることが懸念される。実際、浜岡原発から搬出された廃棄物の処分先を中部電力は明らかにしていない。私たち住民側は「脱原発」の先にある廃棄物処理について勉強しておくことが重要だ。

(第22回・最終回につづく)

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by azarashi_salad | 2015-06-18 18:35 | 政治 <:/p>

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