【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像- (第11回)

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(第11回:「広域処理」の必要性を検証②)

大村知事の受け入れ表明から約2ヶ月後、2012年5月になると広域処理の前提を覆す事態が起きた。がれき総量の見直しだ。この頃「がれきが思ったよりも少ないらしい」「がれきの受け入れを検討しているが持ってくる木くずが無い」という情報がすでに広まっていた。

見直し後の宮城県のがれき総量は1150万トン。見直し前から420万トンも減ってしまった。もともと「どうしても現地で処理できないから広域処理が必要」と環境省が公表していた量はどれくらいか。

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この数字について、環境省の廃棄物対策課:山本昌宏課長は2012年4月、テレビ朝日の番組「モーニングバード」の「そもそも総研」に出演し、こう語っている。

「もともと中(地元)で出来ないものを外でやるという考え方ですから、全部できるんだったら外でやる必要はないんですね。中で出来ないものっていうのは何か、という事を出していただいたものを我々は、岩手県では57万トン、宮城県では340数万トンあります」

つまり宮城県と岩手県合わせて約400万トンだ。しかし、そのわずか1月後の見直しでがれきの総量が400万トン以上減ってしまったのだ。言い換えれば、見直し後のがれきは全て現地処理が可能なはずだ。

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岩手県のがれきは「不燃物」が83万トン増えた。しかし増えたこの「不燃物」も実は「がれき」ではない。「がれきに含まれていた土砂」や「海水をかぶった農地の土」を「がれき」としてカウントしたもの、いわば「水増し数字」だ。

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さらに広域処理では、これまで可燃物の話しか出ていなかった。なぜなら、不燃物は現地で再生利用する、復興資材として活用する計画だったからだ。しかし、可燃物の量が大幅に減った途端、不燃物を広域処理する話が急に出てきた。

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岩手県の「災害廃棄物処理詳細計画」を見てみよう。「廃棄物処理・処分受入先リスト(県内の施設)」一覧を見ると「一般廃棄物最終処分場」は沿岸被災地町村内に限定され、県内の他市町村での「処理・受入可能能力」は「ゼロ」だ。

岩手県の「一般廃棄物最終処分場」残余容量は130万トンあるにもかかわらず、この計画では47万トン残余容量がある盛岡市の廃棄物処分場についてひと言も触れていない。岩手県内の「処理・受入可能能力」を過小評価しているのだ。

(第12回につづく)

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by azarashi_salad | 2015-06-01 18:45 | 政治 | Comments(0) <:/p>

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