【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像-(第9回)

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(第9回:「広域処理」という公共事業⑥)

がれき処理関連の予算について見てみよう。2011年度は第1次補正予算及び第3次補正予算で7,778億円、2012年度は復興特会で4,156億円が計上され、わずか2年で1兆1,934億円の巨額予算が認められた。

このうち、国の代行処理に係る予算(災害廃棄物処理事業費)について、興味深い資料を発見した。「再生可能エネルギー導入及び震災がれき処理促進地方公共団体緊急支援基金事業(地域グリーンニューディール基金の拡充)」という環境省の予算資料だ。

この資料を見ると、「災害廃棄物処理事業費」は86%の補助金と9%の基金、5%の地方負担金で構成されていることがわかる。さらに5%の地方負担金についても「地方負担分を全額措置し、また地方税の減収分についても併せて手当てする。これにより、被災自治体の負担は実質的にゼロとなる」としている。

つまり、がれき処理費用は全額が国負担で賄われるので、処理単価が高くても被災自治体は痛くもかゆくもない、コスト意識が全く働かないのだ。一方の受け入れ自治体側にとっては、がれきが「お宝」(=補助金)に化けたことになる。

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さらに、がれきを受け入れた自治体には、がれき処理費用とは別に「震災復興特別交付税」まで交付される。

女川町のがれきを受け入れると噂されていた「ふじみ衛生組合」(三鷹市・調布市で構成)には、2011年度だけで10億円(三鷹市に4億6千万円、調布市に5億4千万円)の「震災復興特別交付税」が交付されている。

この補助金が、がれきの受け入れと引き換えに交付されるのであれば、財政難に悩む自治体にとってこれほど魅力的な話はない。がれきの広域処理を進めたい政府・環境省と、補助金を受け入れたい各自治体。双方の利害はこの点においてこそ一致したのではないか。

実際、広域処理の本当の目的が被災地支援ではなく補助金目当てだと思わせるデータが、このあと続々と明るみになるのだ。これについては後ほど詳しく紹介しよう。

(第10回につづく)

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by azarashi_salad | 2015-05-28 18:22 | 政治 <:/p>

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