【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像-(第8回)

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(第8回:「広域処理」という公共事業⑤)

阪神大震災のがれきは、リサイクル率が約5割だった。セメントや木材、鉄鋼業界などは、東日本大震災のがれきにもそれを適用したいのではないだろうか。特に、原発事故以降は首都圏の焼却灰が高濃度汚染でリサイクル困難となり、復興事業で利用するセメントが不足しているとの報道もある。

将来的にはがれきだけにとどまらず、除染のために伐採した木材などもリサイクル資源として有効活用したいのではないか。

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これらの汚染資源のリサイクルによって、政府が既成事実化したい政策が「クリアランス制度」の定着だろう。「クリアランス制度」は2005年に法律として成立したが、多くの問題点を抱えるため日本社会ではまだ定着していない。

この制度の趣旨は「原発解体」で生じる廃棄物の処理にある。電力会社でつくる「電気事業連合会(電事連)」のホームページでは、次のように説明している。

「廃棄物の再生利用や適切な処分を進めていくためには、国民や地域社会の理解を幅広く得ながら進めて行くことが重要です。このため、制度が社会に定着するまでの間、電力会社では、原子力施設由来であることを了解済みの処理業者に搬出し、電力業界内を中心に自ら率先して再生利用を進めています。」

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2011年3月に起きた福島原発の事故によって大量の放射性物質がばらまかれた。このため、政府は震災がれきの処理と一体で汚染資源のリサイクル処理を進め、一気に「クリアランス制度」の既成事実化を図る。そんな思惑が見えてくる。

高濃度の汚染焼却灰も薄めてクリアランスレベル以下のセメントに加工すれば、市場に流通することが可能となる。原発を廃炉する場合も、クリアランスレベル以下の部分をスソ切りすることにより、廃炉コストを大幅に抑えることが可能となる。

政府・マスコミが一体となってキャンペーンしている「食べて応援しよう」も「みんなの力でがれき処理」も、政府と東電が負うべき放射能汚染被害の損害賠償額を低く抑えることが目的だと考えれば、すべてが経済合理性に基づく「コスト削減策」であると理解できる。

(第9回につづく)

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by azarashi_salad | 2015-05-27 18:39 | 政治 <:/p>

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