【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像- (第7回)

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(第7回:「広域処理」という公共事業④)

アメリカ国立衛生研究所が、ある論文をまとめている。「化学物質の影響 東北地方太平洋沖地震と津波による汚染と除去」というタイトルで2011年6月に発表された。津波で流された震災がれきは化学物質にも汚染されている、という報告だ。

実際、震災がれきを処理した焼却灰からは、基準値を上回るヒ素や六価クロムが検出されたことも報道されている。

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画像は被災地のアスベストを測定した資料だ。通常の環境だと0.1f/L程度だが、震災がれき周辺では33.9f/L(300倍超)という高濃度汚染が確認されている。

阪神・淡路大震災の時と同様、震災がれきはアスベストにも汚染されているのだ。さらに、阪神・淡路大震災後のがれき処理などに携わった5人が、アスベスト(石綿)が引き起こすとされるがん、中皮腫を発症して亡くなったことも報道されている。

つまり、今回の震災がれきは放射性物質、化学物質、アスベストにより「複合汚染」されているのだが、それを普通の家庭ゴミと一緒に処理しようというのだ。しかし、マスコミではこうした情報はほとんど報道されないから、広域処理の問題がなかなか社会全体に広がらない。

こうした多くの問題を抱えつつ、政府はどうして広域処理にこだわるのだろう。政府だけでなく、与党も野党もマスコミも、この問題ではそろって「広域処理の必要性」を訴え続けている。その本当の理由が見えてきたのは、年が明けて2012年になってからだ。

全ては、経済合理性の産物だったと言って良い。言い換えれば、経済最優先。「食べて応援」「みんなの力でがれき処理」もおそらく行動原理は同じであろう。実は、進んでいないのは「復興」ではなく、がれきの「リサイクル」なのだ。

(第8回につづく)

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by azarashi_salad | 2015-05-26 18:21 | 政治 | Comments(0) <:/p>

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