【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像- (第4回)

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(第4回:「広域処理」という公共事業①)

環境省が執拗に広域処理にこだわった理由の一つが予算だ。

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これは震災がれきを広域処理するために成立させた「もう一つ」の特措法だ。この特措法により、震災がれきの「国による代行処理」と「国による処理費用の負担」が可能となった。

これに伴い環境省は1兆円を超す予算(復興予算)を手に入れた。ちなみに役所(官僚)にとって最大の目標が「予算の確保」だ。今回の件で味をしめた環境省は、大規模災害が発生するたびに予算が確保できるよう、この特措法を恒久化する法改正を2015年3月に閣議決定した。

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何しろ1兆円と言えば中部国際空港を整備した予算とほぼ同額だ。つまり「震災がれき広域処理」は予算規模1兆円の公共事業となったので、住民の反対意見がいかに「正論」であっても、なかなか軌道修正されなくなったのだ。話を元に戻そう。

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環境省は、がれき広域処理に際しどのようなモノサシを示したのだろうか。原発事故以前は「1キログラム当たり100ベクレル」に境目があった。「クリアランスレベル」という原子炉等規制法に基づく処理・処分の基準だ。

これ以上の濃度を持つ放射性廃棄物は、性質や濃度に応じてドラム缶に入れて密閉したり、コンクリートで固めて埋めたりすることになっていた。何本もの黄色いドラム缶が原子力関連施設内で積み上がっている写真を、多くの方が見た記憶があるのではないか。

しかも原発から出たゴミは「1キログラム当たり100ベクレル」以下のものでさえ黄色いドラム缶に入れて厳重に管理しており、一般廃棄物(家庭ゴミ)の処理場では焼却・埋立て処分などしていなかった。

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これに対し、原発事故後はモノサシが変わった。福島第一原発事故由来の放射能汚染に関する「特別措置法」ができたからだ。基準は一気に80倍、「1キログラム当たり8000ベクレル」に引き上げられた。

しかも一般廃棄物(家庭ゴミ)の処理場で焼却・埋立て処分しても問題ないという。こんなことで、本当に大丈夫なのだろうか。がれき広域処理については当初、全国で572市町村(事務組合を含む)が受け入れを表明。その量は最大で年間約488万トンに達していたという。

ところが、その後、住民ばかりでなく処理業者の間でも放射性物質に対する懸念が強まり、慎重論が広まった。各都道府県に対する環境省の「要請」は、こうした最中の10月4日に行われた。

(第5回につづく)

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by azarashi_salad | 2015-05-21 18:38 | 政治 | Comments(0) <:/p>

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