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【連載企画】日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像- (第3回)

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(第3回:「震災がれき広域処理」とは②)

川崎市での騒動が続いていた2011年4月、愛知県でも同じような動きが出ていた。大村知事が震災がれきの受け入れを表明したのは、川崎市よりやや遅れた4月25日だ。定例記者会見の席上、愛知県内での受け入れを検討すると発言したのである。

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報道で大村知事発言が伝わると、愛知県にも苦情や抗議が殺到した。川崎市の場合と同様、愛知県も受け入れに際し「放射能に汚染されたごみが持ち込まれることはない」と説明するだけで、受け入れ基準や処理方法など、具体的な内容を説明していない。

具体的な内容を明らかにしないまま、受け入れのみ既成事実化しようとする政府や愛知県に対し、住民たちが「行政の不備」を指摘したのだが、この点もまた川崎市と同じだった。

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放射能問題に関する情報を交換しながら必要に応じて横につながるネットワーク。それが「未来につなげる・東海ネット」だ。もともと東海地域で活動していた「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」や「核のゴミから土岐市を守る会」なども「東海ネット」に合流していた。

団体の数や多様さ、規模から言えば、まさに東海地方最大級のネットワークだ。このネットワークなら「放射性廃棄物の拡散防止」に協力する仲間が見つかるのではないか、そんな考えから筆者も結成集会に参加した。

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「東海ネット」の結成集会から約2週間後の8月10日、地方議員との面談が始まった。がれきの広域処理は、自民党から共産党まで与野党全ての政党が支持していた。これに対して私たちは無党派層で、特定の政党や政治勢力を支持するグループではない。

結局、結論はこうだった。「与野党、会派にかかわらず、対応してくれる全議員と面談を重ねよう」「住民の代表である地方議員を通じて、私たちの意見を行政に反映させるには、それしかないのだから、政治家個人の良心に訴えよう」

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面談では、これまで法律で厳しく規制されていた「クリアランスレベル」を超える廃棄物が普通の家庭ゴミのように処理されようとしているが、これらの廃棄物処理に関する情報を県が住民に教えてくれないので議会で確認して欲しい、と訴えた。

説明を聞いた近藤議員は「この件は名古屋市だけで解決できるような問題ではなく、国レベルの非常に大きな問題と認識している。頂いた要望書と資料は、早速、佐藤夕子衆院議員(当時)に送付するとともに、会派でよく検討した上で対応したい』と答えた。

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「議員との面談を続け、住民の要望を伝えよう」という動きは国会議員にも及んだ。対応してくれたのは民主党の谷岡郁子参院議員(当時)である。谷岡議員が所属する民主党は政権与党(当時)で、谷岡氏は党の「原発PT事務局次長」を務めていた。

この面談でも目に見えるような満足な回答は得られなかったが、私たちの要望が与党で活動している国会議員にも伝わった。

(第4回につづく)

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by azarashi_salad | 2015-05-20 18:46 | 政治 <:/p>

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