▽「犯罪」よりも「ミス」が叩かれる社会(修正)

●全日空の制服盗難事件と日本航空の救命胴衣盗難事件を紹介した記事(▼盗難被害者ではなくて加害者の情報はどうなっているのか)に、「ネットは新聞を殺すのかblog」の管理人である時事通信の湯川さんと「上昇気流なごや」の管理人である毎日新聞の磯野さんからコメントを頂きました。
 お二方には無理を承知でコメントをお願いしましたが、本当にありがとうございます。

○湯川さんからは、「マスコミが犯罪よりも不祥事を重視することはない」「加害者、被害者、どちらに焦点を当てるかですが、それはその人物の知名度やその犯罪行為の特異性による」とのコメントを頂きました。
 しかし、例えば日航についての読売新聞と共同通信の記事は明らかに「高校生による救命胴衣盗難」よりも「客室乗務員の点検ミス」に焦点を当てていると思います。
 また、修学旅行の高校生が飛行機の救命胴衣を盗んだニュースは、私は十分「特異性」があると思うのですが、マスコミ関係の方々にしてみればよくあることなのでしょうか。

 一方、磯野さんからは「さぁどうぞ盗んでください、というような状態に置いてあれば、出来心もあるのではないか」とのコメントを頂きました。
 確かに、後で紹介する全日空の制服については現場の担当者にも責任の一端があるかも知れませんが、救命胴衣はすぐ取り出せないと緊急時には使えません。
 私は、そうしたことを承知の上で救命胴衣を持ち去るような真似は、子供のいたずらで済ますべきことではないと思います。
 さらに、なにより5着も持ち出せば周りの誰かが気付いて注意しても良さそうですが、誰も止めようとしないこの高校自体にもかなり問題があるのではないでしょうか。
 したがって、私のように子を持つ親としては少なくとも学校名ぐらい明らかにして頂きたい、もしくは学校が公式に謝罪すべきと思います。

○ところで、前回の記事をアップしてからこの事件について触れているブログを巡回していて、全日空のHPに6月7日付けで今回の件についての「お詫び」が掲載されていることを「たまちゃんのてーげー日記」で知りました。
 しかし、私は本当に「お詫び」しなければいけないのは全日空ではなくて、無断で制服を持ち帰ったモデル本人やモデル事務所、そして借りた制服を無くした電通子会社の「電通テック」の方ではないかと思いますが、持ち帰った本人およびモデル事務所からのコメントはまだ無いようです。

 なお、このCM撮影に参加したモデルさんのブログ「飯島真由の日記 MAYU NEWS」に、今回の事件についての記事(制服紛失事件)がアップされていました。

 それによると、おそらく広告代理店だと思いますが、出演者全員に再集合を呼びかけて事情聴取を行い「万が一制服を持ち帰ってしまった人がいたら匿名で送り返すように」とのメモを配っていたそうです。
 だから、ニュースで報じられた3着も匿名で返却されたのでしょう。
 また、モデルから制服を回収する際も、現場の担当者はきちんとチェックせず、無防備にテーブルや椅子の上に置いていたそうです。

 これらが全て事実だとすると、無断で持ち帰ったモデルの次に反省しなければならないのは、この現場の担当者かも知れません。

 ところで、このモデル(飯島)の方には大変失礼かも知れませんが、『常識で考えたら、借りたものは返すのが当たり前だけど、モデルの仕事の場合、使った衣装をそのまま記念に貰えることが結構あるから、状況をよくわかっていない新人ちゃんとかは、「返せ」と言われなければ知らずにそのまま持って帰っちゃうかもしれないよね』と書かれている部分には、思わず目を疑いました。

 なるほど、経験が浅いモデルさんの中には、あらかじめ「返すように」と言われなければ貰えるものだと思い込む方もいるかも知れません。
 しかし、「匿名で送り返すように」とメモが配られた上、これだけニュースで報道されているにもかかわらずいまだに全部が返却されず、無断で持ち去った方々から「お詫び」のコメントもない業界は、やはり社会人としてどこかおかしくないでしょうか。

 このモデル(飯島)さん個人には何の罪もないので、彼女を批判するつもりはありませんが、モデル業界の方々には、心無いわずかな不届き者のために何ら罪を犯していない人々が苦労し、さらには処分までされているという事実を、ぜひとも重く受け止めていただきたいと思います。


○今回も、マスコミ側のお二方の意見をお聞きしましたが、やはりマスコミは「盗難」という「犯罪」よりも「不祥事」を重視して、特定の企業や組織を批判する傾向があるという思いは払拭できません。
 私は、マスコミの皆さんにぜひ考えて頂きたいことは、「不祥事」で処分を受ける方々は確かに「ミス」を犯したかも知れないけれど、少なくとも「犯罪」は犯していないということです。
 「犯罪」よりも「ミス」が責められる社会は、やはりどこかおかしくありませんか。(こうした価値観を広められると家庭教育にも影響が出て困るのですが)

【6/15:追記】
「余は如何にして道楽達人になりしか」さんの記事(全日空スチュワーデスの制服の窃盗事件)によると、電通テックのHPに6月13日付けで「お詫び」が掲載されたそうです。

「たまちゃんのてーげー日記」さんの記事(ANAの制服泥棒の続報ニュース)によると、全日空の制服がさらに2着返却されたそうです。

CM撮影に参加したモデル(飯島)さんからTBして頂いた記事「制服紛失事件(続き)」を受けて、少し文章を手直ししました。

【6/16:一部修正】
わかりにくい表現箇所を一部修正しました。
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by azarashi_salad | 2005-06-14 23:27 | 社会 | Comments(5) <:/p>

Commented by kurohogan at 2005-06-15 11:02 x
その通りですね。規制を厳しくするという、方向性が限界に来ています。もっと根本的なこと、倫理。一人一人の心にあるもの。続きはトラックバックします。
Commented by kurohogan at 2005-06-17 09:34 x
トラックバックありがとうございます。家庭教育に影響が出ますね。そのために何をすべきか。愚公でもいい。山にスコップを入れる。山は動くと信じています。
Commented by azarashi_salad at 2005-06-18 17:03
kurohoganさん、こんにちは。
コメント&TBありがとうございます。
まるでしつけが出来ていない小学生のような大人が多い世の中では、家庭教育にも色々と苦労させられて困ります、笑。
Commented by BON at 2005-06-20 00:26 x
はじめまして。本館からやってきました。
仰るとおり、制服や救命胴衣の盗難の件、常識がない人間が多すぎですね。
激しく同意させられコメントせずにはおれませんでした。
それでは失礼致します。
Commented by azarashi_salad at 2005-06-22 00:01
BONさん、はじめまして。
本当に困った大人(高校生もだけど)が多すぎますね。
叱り方を間違えないようにしないと、こうした不届きは、いつまでたっても無くならないのではないかと思います。

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