福島の観光団体が修学旅行を誘致する行為は倫理的に問題ないのか?

福島の観光団体が修学旅行誘致(NHKニュース)

原発事故の影響で観光客が減っている福島県に、修学旅行などを誘致しようと、福島県の観光団体が九州各地をまわり、学校関係者などに安全性を説明したり、現地で震災について学ぶ講座を開くことを提案したりしています。

福島県の観光物産交流協会らでつくる団体は、修学旅行生などを呼び戻そうと、九州各地の高校や旅行会社など180か所を27日から4日間の日程で訪問しています。
28日は、太宰府市の県立福岡農業高校を訪れ、校長と修学旅行の引率をする教師に、旅行内容の提案や福島県での放射線の観測状況などについて説明しました。
この高校では震災についても学び、支え合う心を育んでほしいと、今年度から初めて、福島県のスキー場を修学旅行先に決めましたが、保護者からは原発事故による健康への影響などが心配だという声が出ているということです。

これについて観光団体は、学校が旅行先として検討している猪苗代町は、事故があった原発から80キロ以上も離れている上、放射線量の測定結果は、資料を作成した3月25日段階で0.054マイクロシーベルトと、福岡県庁での測定結果とほとんど変わらないと説明しました。
また、修学旅行の内容として、生徒たちの宿泊施設に、被災した人を招いて話を聞く震災講座や、風評被害を受けた果物農家の見学などが提案されました。

福島県によりますと、九州からの修学旅行の件数は、震災が起きた平成23年度とその翌年には一校もありませんでしたが、平成25年度は12校と回復の兆しを見せていて、今年度は16校の予約が入っているということです。
県立福岡農業高校の田中浩一校長は「福島県の正しい情報を保護者にも伝えていきたい。生徒たちには震災学習を通して、マイナスをプラスに変える力を学んできてほしい」と話していました。

福島県観光物産交流協会の大関秀樹さんは「福島県全体が放射線の影響があると誤解されている。数値やデータなどの資料を提供して、保護者の皆さんに正しい情報を理解してもらえるよう努めたい」と話していました。(2014年5月28日)


う~ん、福島の観光団体がわざわざ九州まで出向いて修学旅行を誘致するのって倫理的に問題ないのだろうか?

先日、福井地方裁判所が出した「大飯原発運転差止請求事件判決要旨」では、原発が事故を起こした際は原発から250キロ圏内は危険だと認めている。

◆大飯原発運転差止請求事件判決要旨
「大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者(別紙原告目録1記載の各原告)は、本件原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められる」

一方、福島第一原発はいまだ事故の最中であるため、今も「原子力緊急事態宣言」発令中の状態にある。

◆原子力緊急事態宣言(平成23年3月11日)

◆原子力緊急事態宣言発令の判断基準(現在もこれに該当中のため解除できない)

緊急事態判断基準(15条事態)
・原子力事業所または関係都道府県の放射線測定設備により、事業所境界付近で500μSv/hを検出した場合
・排気筒等通常放出場所、管理区域以外の場所、輸送容器から1m離れた地点で、それぞれ通報事象の100倍の数値を検出した場合
臨界事故の発生
・原子炉の運転中に非常用炉心冷却装置の作動を必要とする原子炉冷却材の喪失が発生した場合において、すべての非常用炉心冷却装置の作動に失敗すること、等


ちなみに東京駅でも福島第一原発から224.42キロの距離だ。
◆日本国内の原子力発電所からの距離を計測するWEBツール

もちろん公式に避難指示等が出ていない以上、個人が自己責任で「リスク評価」して250キロ圏内に旅行に行くのは「選択の自由」だと思うが、修学旅行のように個人の判断で決められないケースで万が一危険な事態に陥った場合、旅行を誘致した者はその責任を取れるのだろうか?

今回の原発事故における政府や東電、自治体、政治家などの対応を見る限りは、誰も責任を取ること無く「想定外でした」の一言で済まされるに違いないと思うのだが。




***********************************

クリックで救える命がある。
[PR]

by azarashi_salad | 2014-06-01 07:47 | 社会 | Comments(0) <:/p>

<< ♪宝探し(6/1) ♪宝探し(5/18) >>