【転載情報】住民監査請求(概要)

住民監査請求(概要)

2013年4月21~22日
環境ジャーナリスト 青木泰

1.富山県をめぐるがれき広域化の特徴的動き
がれきの広域化、下記の終息状況(注1)に加え3つの大きな出来事。
・9割を占めていた宮城県発、今年3月末で終息
・岩手県発も埼玉県は昨年12月末、静岡県は今年3月末で終息
(1)秋田市 4月15日に中止を決定。 (注2)
25年度の受け入れ予算を3月議会で成立後、2週間後に中止発表。
(2)岩手県への情報開示請求で分かった驚愕の事実。
<環境省の広域化計画 根拠の無いことが分かる>
がれきの広域化は、環境省発表(「工程表」)に基づき、計画。
①岩手県は、環境省への報告とは別の広域化必要量「一覧表」を作っていた。
一覧表は、情報開示で提出されたが、墨塗りされていた。(資料1)
②2重帳簿化の可能性大。(資料2)
<岩手県の広域化必要量も根拠を提示せず>
③岩手県は、「O 会社」(=応用地質株式会社)に、がれき量の測量・計画を業務委託。そのデータの開示は、拒否。
(3)「震災瓦礫受け入れ『表明して撤回』でも178億円」
がれき広域化の受け入れは、廃棄物処理施設への補助金入手が目的!!
全国で178億円。富山県でも高岡市がそう。富山市は?(資料3)

2.請求の趣旨
富山県知事に対し、がれきの広域処理に関する違法な公金の支出に対し、地方自治法第242 条の第1項に基づき住民監査を行い、岩手県との契約に当たり広域化必要量について情報の開示を行い、精査したうえ、当該行為を防止し、当該契約を是正することを求める。
―広域化にあたって問われること―
被災自治体で本当に処理できないのか ― 廃棄物処理法&特措法
本来の補助事業の目的に適って合理性があるか ― 「補助金等適正化法」

3.請求の理由と却下理由
(1)広域化必要性の示されない広域化処理は、財政に欠損を与える。
発表のたびにがれき量が削減。同一の測定会社が測定していた。
埼玉県(岩手県野田村)、静岡県(山田町、大槌町)へのがれき量は、契約時の1/10(埼玉県)、1/7(静岡県)。
間違ったデータで進めれば、補助金も受けられず、自治体財政に穴。
→「全額岩手県が負担するものとされており、…富山県に損害や損失が発生しない」
(2)岩手県発のがれき広域化量の見直しをせず広域化を行うことは、違法処理となる。
岩手県知事は「がれき量を精査中」と応えていた。その見直し結果を待つべき。(注3)
→請求人の上記疑念は、「国の予算執行(国家財政)の観点から疑念を表明しているに過ぎず、富山県の財務会計上の行為を対象とする住民監査請求の対象とはならない。」
(3)県内処理の確定の上で広域化の必要性の検証が行われていない。
岩手県の県内での処理可能量は、(岩手県発表の「岩手県詳細計画・改訂版」)
ⅰ)既設の清掃工場の焼却炉 日量 225 トン
ⅱ)仮設焼却炉 日量 195 トン
ⅲ)セメント工場での処理 日量 770 トン
と日量 1190 トン処理できるとなっている。広域化せずとも県内処理で処理できる。
→「がれき広域化の必要性について疑念を表明しているに過ぎず、同上」
(4)木くずがなくなって、木くずを主にする可燃物がなぜ広域化か?
静岡県は、山田町の「木くず」が無くなったとして広域化を終息した。同じ山田町から運ぶ「木くずを主にした可燃物」が広域化できるのか?
→「国が定めた・・工程表によると富山県が受け入れ依頼されるのは『可燃物』であり、」「木くずとは明確に区別されている。」(資料4)
(5)禁止されている再々委託の契約書が明らかになった(注4)
岩手県からの富山県への委託は、富山地域広域権組合に再委託した後、さらに1業者、富山市に再々委託していた。再々委託は法令上禁止されている。
→「具体的な理由を示しておらず、富山県の財務会計行為等について個別的、具体的にその違法性、不当性を摘示しているものとは認められない。」

5.再度の監査請求にあたって
適法な住民監査が行われたにもかかわらず、監査委員が「却下」したときには再度の住民監査をすることができる。(最高裁判例) 補正(資料5)なしに「却下」は違法。

6.追加請求とまとめ
追加1:再度の見直しの結果、秋田市も取りやめた。富山県も見直しを。
追加2:環境省データに根拠なし。岩手県も情報隠し。情報開示要求を。
追加3:がれきの受け入れは、被災地を引き合いに補助金を掠め取るもの。
*がれきの広域化は、運送費が過半を占める。復興資金で手当てすることを考えたとき、必要性を十分検証した上で、政策を進めることが求められる。
被災自治体では、多くの方が未だ避難生活や仮設住宅住まいをし、事業再開のめどの立っていない人がいる。復興資金は、どれだけあっても足りないような状況にある。そうした中で無駄ながれきの広域化が行われるのは許されない。

<注釈>
*1: がれき広域化の動きー終息の動き
(1)状況―終息の動き
(ア) 宮城県発:北九州市、東京都、茨城も終息。これで全面終息。
(イ) 岩手県発:野田村からの埼玉県への持ち込み終息。
:山田町、大槌町から静岡県への持ち込み終息。
(2)岩手県:埼玉県終息の理由
「がれきの処理量が減った。」
*比重が予測より低かった。*柱材・角材に土砂。*混合物内の割合減った。
(3)岩手県の広域化の動き
*秋田県昨年から―秋田市、大仙市、横手市へ実施中、継続の動きがあったが、秋田市は中止。(4月15日)
*大阪府―大阪市、トン当たり約4万7千円(内 2,4万円運送費)。今年2月から、当面6,100トン、宮古市から36,000 トン
* 富山県―高岡市、富山広域圏他 山田町から 10,800 トン

*2:住民監査請求が受理された後、請求に理があると判断した時には、監査委員が行政に処分中止等の勧告を出す。理がないと見た時には「棄却」となる。その際、行政の体面を保つために、勧告を出す前に行政自ら「中止」させることが多く行われる。今回のがれき広域化においても、宮城県への監査に対し、「棄却」はされたが、宮城県の広域化は中止された。秋田市も現在請求中だが請求後、中止された。

*3:1月25日、岩手県知事への「岩手県は広域化を見直しするつもりはないか」という質問に「比重との関係で現在精査中」と答えている。
大阪、富山県、秋田に持って行く分についても、再調査すれば極端に減ることが確実に予想される。処理必要量を再調査の上見直せば、それに基づき「処理必要量」「県内処理可能量」の確定を行い、「広域化必要量」の見直しは必至。

*4:通常廃棄物処理法では、一般廃棄物の再委託は禁止されている(廃棄物処理法施行令4条の3号)が、今回の震災廃棄物の場合政令(H23、政令第215号)で再委託までは、よいとされたが、再々委託は禁止されていた。

資料1:岩手県 広域化必要量一覧表(墨塗り情報)
資料2:環境省と岩手県の発表データの比較表
資料3:週刊ポスト「震災瓦礫受け入れ『表明して撤回』でも178億円」
資料4:災害廃棄物の広域処理に関する事務打ち合わせ(第3回)
資料5:秋田市監査委員の補正請求書類

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by azarashi_salad | 2013-04-21 07:59 | 政治 | Comments(0) <:/p>

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