「世界」(2013.03)「迷走する環境省(下)」(杉本裕明)について

「世界」(2013.03)「迷走する環境省(下)」(杉本裕明)について、一部には「百害あって一利なし」との厳しい評価もあるようだが、私は以下の点で広域処理の問題点を網羅した良記事と考える。
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冒頭の「交付金」の部分では、環境省の釈明会見と自治体への取材に基づき、瓦礫を受け入れないのに復興予算を被災地外にばらまいたのは、自治体主導ではなく環境省主導だったと指摘。

更に「特別交付税」目当ての自治体は「一般枠」ではなく「復旧・復興枠」で交付金を申請したいから瓦礫受入に固執する、という循環型交付金制度を使った広域処理問題の「からくり」を指摘。
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災害廃棄物検討会の部分では、当初は福島県内の瓦礫処理のために検討していた緊急用の基準がいつのまにか全国一律の基準にすり替わった、と指摘。
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リサイクルの部分では、1兆円もの瓦礫処理予算を独り占めした環境省と建設廃棄物を所管する国交省との間での縦割り行政の弊害を指摘。

阪神大震災との比較では、「まず地元、それが難しければ周辺、さらにその外側」というコストを踏まえた瓦礫処理の鉄則を指摘。
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一部地域で見られる首長(政治家)の暴走については、愛知県の例を挙げて「安易な計画で失敗しても、費用は全部復興予算で面倒を見てくれる」という復興予算の無駄遣いを指摘。

焼却炉の汚染問題の部分では、プラントメーカーの報告書に基づき、焼却灰への放射性物質の移行は約6割にとどまり残り4割が不明なので原因の特定が必要、と指摘。
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エコセメントの部分では、施設からの排水が下水を経由して多摩川に流出している可能性が高いが、下水は規制の対象外になっている問題点を指摘。
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最後にまとめとして「被災自治体への予算の執行を怠り、復興予算の流用に腐心する環境省に、復興を担う気持ちが、果たしてあるのか」と環境省の姿勢を厳しく追及。

大阪や静岡、富山等における住民と自治体の衝突や、東京の瓦礫受入によって東電関連企業に多額の復興予算が流れた問題など、触れていない部分もあるが「百害あって一利なし」とは思えない。

確かに、広域処理プロパガンダの全面広告で復興予算のおこぼれを貰ってきた朝日新聞が何を今さら、という気持ちは私にもあるが、それはそれとして今回の記事をフラットに読んだ感想である。

もちろん東京新聞が先頭に立って広域処理問題の記事を掲載してきたからこそ、北陸中日新聞や毎日新聞、新聞ではないが朝日記者がこうした論調の記事を掲載するようになった、と高く評価している。


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by azarashi_salad | 2013-02-28 20:16 | 政治 | Comments(0) <:/p>

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