政府が広域処理を進めたい本当の理由【その2】

 瓦礫の広域処理については、受け入れを強行する自治体各地で住民による反対運動が活発化するとともに、一部地域では住民が自治体を相手取って訴訟をおこしたり、反対運動をしていた市民が逮捕される事件にまで発展している。
 これだけ問題が山積みなのに、政府・与野党・マスコミまでもが一体となって瓦礫の広域処理を強引に推進する理由は何か、その本質について今年の3月にブログ記事をアップした。
◆政府が広域処理を進めたい本当の理由(H24/3/23)

 このブログを読んだ知人からは「陰謀論ですか?」という反応もあったが、政府・マスコミが一体となってキャンペーンしている「食べて応援しよう」も「みんなの力でがれき処理」も、本来は政府と東電が負うべき放射能汚染被害の損害賠償額を少なくすることが目的と考えれば、全てが経済合理性に基づく「コスト削減策」であることが理解できる。
 レベル7の原発事故が未だ収束していないのに原発を再稼働するのも、汚染された地域に子供たちを置き去りにしたまま事故以前の生活に戻ろうとするのも、全てはリスク回避による安全確保よりも経済合理性を重視しているからに他ならない。

 それから9ヶ月が経過した先日、ついにこのブログ記事を裏付ける事実を新聞が報道した。
◆伊方原発:放射能汚染ないごみ、産廃で処理−−来年から /愛媛(H23/12/20)
◆【愛媛新聞】伊方の放射線管理区域廃棄物「汚染なし」一般処理
 四国電力は19日、伊方原発の放射線管理区域内で発生した、放射性物質による汚染の恐れがない廃棄物について、2013年1月から資源の有効活用を目的に再利用したり、一般産業廃棄物として処分したりすると発表した。
 精密機械の梱包材や電池、工具などが対象。四電は国の指示に基づき、廃棄物が汚染されているかどうかを判断する基準を作成し、伊方原発の原子炉施設保安規定に追加。経済産業省原子力安全・保安院(当時)に申請し、12年9月、認可された
 四電によると、管理区域内に搬入された機材の場所や日付を記録し、明らかに放射性物質の汚染がないと判断できる場合、再利用するか、一般産業廃棄物として処理する。廃炉作業などで発生する原子炉建屋のコンクリートなども対象となる。
 四電は当面、対象物の線量を自主的に測定した上で処分しているとしている。伊方原発では現在、管理区域内で発生したすべての廃棄物を放射性廃棄物として管理区域内に保管し、青森県六ケ所村の施設に搬出している。

 この報道のポイントは「四電は国の指示に基づき、廃棄物が汚染されているかどうかを判断する基準を作成し、伊方原発の原子炉施設保安規定に追加。経済産業省原子力安全・保安院(当時)に申請し、12年9月、認可された」の部分である。

 これについて四電エネルギー広報室に問い合わせた方によると、これまで伊方原発の放射線管理区域内で発生した廃棄物は全て六ケ所村の施設で処理していたが、今後は現行の原子炉規制法に則り100Bq/kg以上は低レベル放射性廃棄物として六ケ所村で、100Bq/kg以下は「汚染のない廃棄物」というクリアランスレベルを運用して通常の産業廃棄物として処理する、とのこと。
 しかし、今後もずっと現行のクリアランスレベルを適用するのであれば、新たに「廃棄物が汚染されているかどうかを判断する基準」を設ける必要性が説明出来ない。
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 震災がれきの場合は、昨年8月に成立した特措法によって8000Bq/kgまでは廃棄物処理法(放射性廃棄物を含まない)の規程で処理できるよう整理されており、原子炉規制法(100Bq/kg)と逆転現象を起こしている。したがって前回のブログでも予想したとおり、今後は現行のクリアランスレベルを規制緩和して整合を図ることになる、と考えるのが自然だろう。
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 この規制緩和により、原発の廃炉で発生する廃棄物は殆ど通常の産業廃棄物として処理が可能となり、最終処分場で処理が必要なものは使用済み核燃料などごく一部の限られたものだけになるので、電力会社にしてみれば廃炉コストの大幅な削減に繋がる。


震災がれきの広域処理はあくまでリハーサルに過ぎない。
これから放射性廃棄物の本格的な広域処理が始まるだろう。

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by azarashi_salad | 2012-12-25 12:20 | 政治 <:/p>

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