復興予算の流用問題【その2】

 この10兆円の増税部分については「被災者支援、被災地復興のためならやむなし」という国民の善意から、その後は目立った反対の声や国会での論争もなく所得税、住民税、法人税の増税が盛り込まれたのだが、以下の記事で検証している通り、国民生活よりも企業を優先した増税内容となっている。

◆復興予算の出所は? 国民生活、負担長く:東京新聞(2012年10月10日)

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 東日本大震災の復興予算は「少なくとも五年で十九兆円」が必要とされる。その財源の半分以上が、増税でまかなわれていることを忘れてはならない。被災地とは関係ない事業に使われる復興予算を検証する上で、あらためて復興増税の中身を整理し、与野党の姿勢を正したい。
(石川智規)

 Q 復興予算の中身は。
 A 政府は五年間で十九兆円を、被災地のガレキ処理やインフラ投資のほか、原発事故の除染費用などに使うと定めた。これら事業の財源は、復興増税や政府保有株の売却、公務員給与の削減などでまかなわれる。

 Q 増税はどのように行うのか。
 A 主に三つある=表。所得税は二〇一三年一月から三七年十二月まで二十五年間、納税額に2・1%を上乗せする。財務省の試算では、夫婦と子ども二人の世帯で増える所得税の年間負担額は、年収三百万円で二百円、五百万円で千六百円、八百万円で七千円など。住民税は一四年六月から十年間、世帯収入に関係なく一律年千円を上乗せする。法人税はいったん減税した上で一二年四月から三年間、納税額に10%上乗せとする。

 Q 増税の期間や額にばらつきがあるのはなぜ?
 A 決定したときの民主、自民、公明の与野党の議論や三党の税制調査会の調整が交錯していたためだ。
 政府・民主党は当初、たばこ税を十年間増税して約二兆円をまかなおうとした。しかし、タバコ農家を支持基盤とする自民党が強く反対するなどし、結局たばこ増税は見送り。その代わりの財源として、住民税を当初案の年五百円から千円に増額し、増税期間も延ばした。
 所得税も同じだ。政府側は当初「現役世代の負担」にこだわり、十年間で年4%(五兆五千億円)の案を提案した。しかし、公明など野党には年間負担額を少しでも減らすべきだとの意向が強く、政府・与党は譲歩。結局、二十五年間で年2・1%の増税となった。

 Q 法人税の期間や額が少ないのではないか。
 A 法人税だけは政府の当初案がそのまま野党に了承された。他の税目で与野党の激しい応酬があったのとは極めて対照的だ。当時、産業界は国際競争力維持の名目で法人税の実効税率の引き下げを主張していた。政治側がその要求を丸のみし、比較的軽い税負担とした側面が強い。一方、所得増税二十五年間は、現役世代にとって「恒久増税」といえ、負担は極めて重い。与野党が国民生活と企業の声のどちらを優先したのか、一目瞭然だ。

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by azarashi_salad | 2012-10-23 19:23 | 政治 | Comments(0) <:/p>

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