人気ブログランキング | 話題のタグを見る

愛知県が震災瓦礫の受入を断念 (2)

震災瓦礫の受け入れを全国で初めて表明したのは川崎市だが、なぜ川崎市が一番最初だったのか?

実は昨年の4月、阿部川崎市長が出身地である福島県を訪れて川崎市に震災瓦礫を受け入れて処理したいと表明したのだが、これは福島県が自らの出身地であることに加えて川崎市出身の樋高環境大臣政務官が、事故直後の昨年3月14日に全国の清掃事業連合会に対して瓦礫処理の協力を要請したことを受けてのアクションと思われる。
◆樋高環境大臣政務官が全国清掃事業連合会あてに送付した要請文書(H23年3月14日)

しかし受け入れ表明直後から、川崎市には瓦礫に付着する放射性物質の汚染を心配した市民からの問い合わせや抗議が相次ぎ、その結果、従来の廃棄物処理法では放射能汚染された瓦礫は処理できない、という法整備上の不備が明らかにされた。(川崎市長はこんな事も知らないまま、安易に受け入れ表明していたことが明らかになった)
◆【悲劇】市とマスコミによって悪者にされた川崎市民(川崎市ゴミ騒動の真相)

このため環境省は、昨年5月に「安全評価検討会」という有識者会議を設置し、放射能汚染された廃棄物の処理について議事録も公開しないまま密室での検討を続け、昨年8月には震災瓦礫を広域処理するための二つの特別措置法を成立させた。

愛知県も昨年4月に県内での瓦礫受け入れをいち早く表明したが、こちらも名古屋市出身の近藤昭一環境副大臣が、昨年4月8日に全国の知事に対して瓦礫処理の協力を要請したことを受けてのアクションと思われる。
◆近藤環境副大臣が新潟県知事あてに送付した要請文書及び環境省廃棄物・リサイクル対策部長が各都道府県知事あてに送付した要請文書(H23年4月8日)

川崎市の瓦礫受け入れ騒動の時からこの問題に注目していた当ブログでは、放射性瓦礫拡散反対のチラシを作成して震災瓦礫広域処理の問題点を広く伝える運動を進めるとともに、同じ問題意識を持つネット上で知り合ったメンバーと協力して、自治体や地方議員あてにメールや電話で広域処理の問題点を訴えたり議員面談などの活動を重ね、市民の代表である地方議員を通じて私たちの意見を行政に反映させる運動を進めてきた。(面談した議員は市会議員、県会議員、国会議員を合わせると私一人でも20名は下らない)

ただし、当時は瓦礫の放射能汚染問題は全国的にほとんど知られておらず、現在とは異なり広域処理の問題点を正しく理解している市民もごく少数だったので、どのようにして脱原発運動と同じような全国的な運動に盛り上げるかが喫緊の課題であった。

そのため、昨年7月には東海地方で最大級の市民運動ネットワークである「東海ネット」の結成式に参加してCラボで測定ボランティアを行い、土壌や食品の汚染情報を発信しつつ問題意識を共有できるメンバーを増やしながら、広域処理の反対運動を盛り上げてきた。(結果的に今年3月には東海ネットも瓦礫広域処理に反対の声明を発表した)
◆「未来につなげる・東海ネット」の結成集会に参加してきた

一方、川崎市の瓦礫受け入れ騒動から半年が過ぎた昨年10月頃には震災瓦礫の放射能汚染問題も全国で知られるように情報が広まり、当初は積極的に瓦礫の受け入れを表明していた各自治体も一転して慎重な対応を取るように状況が変化していた。

この動きに慌てた環境省は、全国の各自治体を対象に瓦礫の受け入れ拒否が選択出来ないような恣意的な設問のアンケート調査を行うなど露骨な政治圧力をかけてきた。しかし、市民が一致団結して各自治体に対して慎重な回答をするよう要請行動を行い、4月に受け入れ表明していた愛知県も環境省に対して質問書を提出するまで慎重な姿勢に変化していた。
◆環境省の暴走!汚染廃棄物の全国受入れ調査に異議あり

振り返れば、愛知県の震災瓦礫受け入れ反対運動は、この時が一番市民の意識が高まっていた時期だったと思う。環境省の「安全評価検討会」資料に目を通して問題点を洗い出し、こうした情報を多くのメンバーで共有しながら各自治体や議員に問題点を訴えていたのもこの頃である。
◆環境省検討会などの資料

(続く)

【備忘録】愛知県が震災瓦礫の受入を断念 (1)



***********************************

クリックで救える命がある。

by azarashi_salad | 2012-08-27 19:57 | 健康 <:/p>

<< 【備忘録】名古屋~仙台の放射線... 【転載情報】青木秦さんからの案内 >>