人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【逆説】広域処理を可能とするための考察

広域処理反対の理屈ばかり考えていると思考のバランスが崩れる恐れがあるので、ではどうすれば汚染瓦礫の広域処理が可能となるか考えてみた。

そもそも広域処理が進まない原因は何かというと

1、津波瓦礫に付着する化学物質を含む複合汚染の実態を明らかにしていない。
○「化学物質の影響 東北地方太平洋沖地震と津波に よる汚染と除去」

・阪神大震災でも瓦礫のアスベスト汚染拡散が問題となり広域処理していない。
・津波瓦礫は、これに加えてPCBやヒ素、六価クロムなどの有害物質で複合汚染されていることが確認されている。
◎黒い津波 Black Death Wave【閲覧注意】

2、津波瓦礫は上記複合汚染が想定されるにもかかわらず、これらを処理する廃棄物処理施設に必要な安全対策を措置していない。
◎家庭ゴミの処理場で放射能汚染された瓦礫を処理するとどうなる(まとめ)

・本来、解体した建物などの廃棄物は産業廃棄物として処理されるため、家庭ゴミの処理施設は、そもそも建築廃材などの処理を想定して作られていない。
・環境省はバグフィルターで放射性物質が除去できると言うが、各施設の製造メーカーが作成した「試験成績書」ではそのような性能保証は担保されていない。
・バグフィルターメーカーに直線確認したが「放射性物質をキャッチ出来るモノは作っていない」との回答。
・焼却灰を埋立てる最終処分場の「浸出水処理施設」で放射性物質が除去できないことは環境省も認めている。

3、上記によるリスクを処理施設の職員や近隣住民に対して十分説明していない。
◎議事録作成をやめた「災害廃棄物安全評価検討会」

・放射能汚染された廃棄物の焼却や埋立てについての安全基準を検討した「災害廃棄物安全評価検討会」の議事録が公開されておらず、政府が安全と主張する根拠について住民や自治体は正しく判断することが出来ない。
・実際に瓦礫や汚染された廃棄物を処理した施設では、これらの有害物質が環境中に漏れ出したことが報道でも確認されているが、政府や自治体がこれまで実施した住民説明会などでは「安全」ばかりが強調され、こうしたリスクについてきちんと説明していない。

4、上記によるリスクを許容出来るか否かについて処理施設の職員や近隣住民の判断を仰がず、政府や首長の独断で推し進めている。
◎特措法基本方針(H23.11.11閣議決定)
「正確かつ迅速な情報提供及び地域住民とのリスクコミュニケーションの実施」


・H23年11月11日に閣議決定された基本方針には、「国及び地方公共団体は、・・・ 適時適切に地域住民等に対して周知する等、正確かつ迅速な情報提供及び地域住民とのリスクコミュニケーションを実施するものとする」と明記されている。
・適切な情報開示がないことが原因で瓦礫の受け入れに反対する住民に対して「黙れ」という都知事は「住民理解の促進」を政府に求めた閣議決定違反である。

おおまかには以上と思われるので、これらの問題が全てクリアされれば、少なくとも安全面からは広域処理に反対する理由は無いと考えて良い。(あえて経済合理性の問題は除く)

というわけで環境省(復興庁)への提言

1、津波瓦礫に付着する化学物質を含む複合汚染の実態を全て明らかにすること。

2、津波瓦礫は上記複合汚染が想定されるため、これらを処理する施設には「予防安全」の観点からフィルターの改修や焼却灰のコンクリ固化など必要な安全対策を措置すること。

3、政府や首長の独断で広域処理を推し進めるのを直ちに中止し、広域処理によるリスクを処理施設の職員や近隣住民に対して十分説明した上で、リスクを許容出来るか否かについての判断を仰ぎ尊重すること。


政府や自治体がここまで真摯に対応した上で、処理施設の職員や近隣住民が最終的に受け入れても良いという判断を下したならば、私はこれ以上反対する理由は見つからないと思う。
(経済合理性の観点から「無駄なバラマキ政策」という批判は可能)
こちらを参照→ 【考察】予算から見た瓦礫広域処理

***********************************

クリックで救える命がある。

by azarashi_salad | 2012-03-02 11:23 | 健康 <:/p>

<< 【津波瓦礫の広域処理問題】沖縄... 【考察】予算から見た瓦礫広域処理 >>