☆関西の空港が抱えている問題(2)

a0008617_933248.gif●前回の記事☆関西の空港が抱えている問題(あざらしサラダ:11月28日)を「ガ島通信」さんにトラックバックしたところ、「ガ島通信」さんから『関西には空港が多すぎる2』の記事をトラックバック返し頂いたので、引き続きこの問題について考えてみました。(長くなりそうなので2回にわけます)

■公共事業を取り巻く政治システムの問題が本質では?

○まず、ガ島通信さんは『地域エゴはもうやめよう!』と述べています。これについては私も特に異論はありませんが、こうした意見は、とかく「総論賛成・各論反対」に陥りがちなように思います。
 したがって、空港問題や橋問題などを個別の問題として考えるのではなく、公共事業を取り巻く政治システム全体の問題として考えていかなければ、「ムダな公共事業」というものは、なかなか無くならないのではないでしょうか

 このあたりの問題点については、前回の記事にbuuさんが次のようにコメントしてくれましたが、私もほぼ同じ意見です。
 政治家は自分の票になることをやります。地盤から選出され、地盤からしか評価されない以上、厳密な意味では政治家は国民の代表ではなく特定地域の代表です。(中略)
 地域の利益の積み上げが結果として国の利益につながるという前提の制度なんでしょうが、そのあたりに問題の根幹がある気がします。そうした政治制度上の利益矛盾のようなものが顕在化した事例が、現在の関西の空港事情なんじゃないでしょうか?

○その上で、再び話を空港問題に戻したいと思いますが、下のリンクは「神戸市みなと総局空港整備室」のHPで、ここに『神戸空港の経緯と手続き』が紹介されています。
「神戸空港WebSite-概要(経緯と手続き)」
 これを見ると、神戸空港計画の経緯として、以下の三つの大きな節目があったことが分かります。(カッコ内は当時の運輸大臣)
1、平成5年8月:神戸空港、「新規事業」へ格上げ(伊藤茂 氏)
2、平成9年2月:国より、飛行場設置許可(古賀誠 氏)
3、平成12年12月:平成13年度国予算に空港整備事業費計上(扇千景 氏)

 特に扇大臣は地元神戸出身ということなので、平成13年度予算で空港整備事業費を計上する際に、もしかすると神戸空港建設にとって有利なチカラが働いたのかも知れません。
(これはあくまで私の想像ですが)

 このように、例えば神戸空港の建設問題に関しては何度も中止させるタイミングがあったにもかかわらず、これを止められなかったと言うことは、マスコミも含めて多くの市民にその意見が受け入れられなかった、あるいは反対運動のやり方がまずかったと言うことではないでしょうか。

■地方空港の建設問題は既に決着済みでは?

○前回取り上げた「自転車の携帯電話問題」について議論したときに気が付いたことですが、こうした国の政策について「NO」を主張する場合、まず正しい現状認識を持つ、次に現状の問題点の本質を理解する、最後に問題解決のための対策を提案する、というプロセスが大事ではないかと考えます。
 こうした前提で空港問題の現状認識について考えてみると、地方空港の建設問題については、残念ながらすでに一定の決着が付いているのではないかと思います。

 下のリンクは、国土交通省の「交通政策審議会航空分科会」が平成14年12月6日に発表した「今後の空港及び航空保安施設の整備に関する方策について」の答申ですが、これによると、今後の地方空港のあり方について次のように書かれています。
「今後の空港及び航空保安施設の整備に関する方策について」
 一般空港の整備については、事業実施中の空港を加えると、その配置的側面からの整備は概成したものと考えられ、今後の一般空港の整備については、従来の量的拡大から、ハード・ソフトの組み合わせや既存空港の十分な活用を中心とする質的充実に重点を移していく必要がある。(中略)
 今後の一般空港の整備は、ハード重視の考え方を転換し、既存空港の十分な活用を中心とする高質化に重点を移す必要があり、航空輸送サービスの質や利用者にとっての使いやすさ等の観点を重視して、空港整備を進める必要がある。

 つまり、政府も「もうこれ以上新たな地方空港は作らない」と明言しており、表現は非常に悪いのですが、神戸空港は「最後ッペ」のようなものではないでしょうか。
 したがって、今更決着が付いている神戸空港の中止を叫ぶよりも、既存空港の質的充実という理由で新たに「ムダな公共事業」が拡大されることがないよう、市民としてはそちらを監視すべきではないか、と私は思います。
(静岡空港は土地買収でもめているようなので、まだ中止の目があるのかも知れませんが)

 ところで、この「答申」は1995年5月に「経団連」がとりまとめた「今後の空港整備のあり方-大規模拠点空港に重点を置いた空港整備計画の策定を求める-」にそっくりですね。
 こうしたところからも、政府が一体誰の方向を向いて政策を決定しているのか想像できるような気がします。

 次回は、前回の記事におおたさんからコメントを頂いたので、地方空港が抱えている問題について考えてみたいと思います。
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by azarashi_salad | 2004-12-01 23:05 | 社会 <:/p>

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