★教育を切り捨ててどうする

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●義務教育費:国庫負担廃止論にノーベル賞学者ら異議(毎日新聞:2004年10月21日)
 ノーベル賞学者4人を含む日本の科学・学術界の重鎮22人が、義務教育費の国庫負担廃止論に異議を唱え、「日本の将来を憂える緊急メッセージ」を細田博之官房長官と中山成彬文部科学相に提出したそうだ。
 提出後の会見で、有馬氏は「国際的に高水準な義務教育が、廃止によって均等でなくなる」、野依氏は「義務教育の受益者は生徒本人ではなく国や世界だ。いい人材を育てるために国民的な議論を」などと訴えたとか。

○何から何までカネ・カネ・カネ、本当に厭な世の中です。
 確かに、日本経済が厳しいことは理解できなくはありませんが、真っ先に切り捨てられたのが国民の福祉であり、次が教育です。この次は国民の安全=命なのでしょうか。

 上の記事を書いた毎日新聞の元村有希子記者は、今回の件について自身のブログでも記事を書き、次のように述べています。

●科学者と政治(理系白書ブログ:10月21日)
 これまで自治体の首長や教職員組合など、いわゆる「利害関係者」の抵抗が主だったのが、様相を変えてきている。きょう、官邸と文部科学省に「反対」の緊急アピールを提出した22人は、「日本の頭脳」と呼んでもいい科学者や大学人たちだ。
 行動の背後にはおそらく、科学・技術を含めて日本の将来を支える人材が減り、先細りするのではないかという不安がある。アカデミアの一員として「教育論をさしおいてカネの議論なんておかしい」という憤慨もあるだろう。
 私もそう思う。日本は、GDPに占める公的教育支出の割合が5%。他の先進国の半分以下だ。子どもを守れ、教育は大切だといいながら、やせっぽちの教育支出をまだ絞るつもりか。

○私は、日本の公的教育支出の割合が他の先進国の半分以下とは知りませんでしたが、予算措置をさしおいて一体どこが「教育改革」なのでしょうか。

 思えば、小泉政権が誕生して以来「小泉改革」と称して行われた「改革」で、本当に私たちの生活が良くなったのでしょうか。私には、悪くなる一方のような気がしてなりません。
 今回も「三位一体改革」というイメージだけが先行しているようですが、実際に行われていることといえば、またもや国民の基本的な生活の切り捨てです。
 私には、これだけ生活関連予算を切り捨てられても、小泉政権の支持率が下がらないことが不思議で仕方がありません。

 元村氏は、『社会的に影響力のある先生たちばかりなのだから、もっと早く行動を起こしていただきたかった。冷静に見れば、この義務教育費問題は、コイズミ改革主義の暴風にまかれて、まさに風前の灯である。もう半年、もう1年早く、科学者が「正論」をタテに物申し、世論が動けば、参院選の争点ぐらいにはなったかもしれない』と述べていますが、それは、マスコミにも同じことが言えるのではないでしょうか。

○前回書いた記事★今日から「新聞週間」です(あざらしサラダ:10月15日)でも紹介しましたが、中日新聞は、社説の中で新聞の役割について『国民の的確な判断を支える確かな情報を伝えること。事実の報道、権力の監視・チェック、そして世論形成』だ、と述べています。
 その意味では、先の参院選の争点にならなかった責任の一端は、マスコミにもあるといえるのではないかと思います。

 ただし、今さら済んだ選挙の話をしても何も変わることはありません。
 元村氏自身も、今回の義務教育費の国庫負担廃止が国の将来を憂うほど重大な事態だと考えているのであれば、是非ともマスコミが先頭に立って世論が変わるようなムーブメントを起こして欲しい、というのが私たち一市民の願いです。

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by azarashi_salad | 2004-10-21 23:48 | 政治 <:/p>

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